日本造園建設業協会

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造園工事基幹技能者

デザインコンクールとは 応募方法 審査結果 講評 歴代の結果


講 評

藤井英二郎委員長
(千葉大学園芸学部教授)

第36回全国造園デザインコンクールの応募数は370点で、前回に比べて21点増えました。高校生の応募数は前回より僅かに減り、大学生が大幅に増えました。

ここ数年着実に増えてきていた一般からの応募が減ったのが残念ですが、このコンクールが新たなステップに展開しつつあるように思います。

主催者の社団法人日本造園建設業協会と全国高等学校造園教育研究協議会の永年に亘るご努力の賜と深く敬意を表します。

大学生の応募が増えたこともあってか住宅庭園のデザインに優れたものが多くありました。また、実習作品にはみんなで力を合わせて取り組んだ結果がよく表れ高い教育効果があったものと思います。

これらに対して街区公園は大学生からの応募が増えたにも拘わらず不十分なものが多く見られました。

この傾向は今回に限らないことですので、大学生ですら街区公園に豊かなイメージが描けない都市生活の実態があるのかと思います。

豊かな公園無くして都市の成熟はあり得ませんので、都市生活を豊かにする公園デザインの提案を強く期待します。

■添野龍雄委員
(文部科学省初等中等教育局児童生徒課産業教育振興室教科調査官)

今年も全国から寄せられた皆さんのすばらしい作品をたくさん拝見することができ感謝しております。

作品を作り上げた皆さんの御努力と指導された方々の情熱には頭の下がる思いです。

図面通りの庭や公園、公共空間が完成した状況を想像して、住んだらどんな感じかな、どんなことをして遊べるかな、行ったら楽しいかなという気持ちになりました。

本年度は応募要領を熟読されたせいか、例年に比べ、応募要領に沿わない作品が少なく、審査していてもうれしかったです。

文部科学大臣賞は今年度も入賞数が群を抜いていた長野県須坂園芸高等学校とさせていただきました。

須坂園芸高校には今後もより一層のレベルアップを図っていただくとともに、そのほかの学校も目標を定めて取り組んでいただきたいと思いますとともに、特に実践と図面を結び付ける実習作品部門については、造園を学ぶ生徒のいるすべての学校が応募してくることを期待しております。

■梛野良明委員
(国土交通省都市・地域整備局公園緑地課緑地環境室長)

本年も多くの素晴らしい作品が応募されたことに対し、大学生や高校生などをはじめとする応募者の皆様、そしてご指導いただいた教育関係の皆様に対し、心から敬意を表したいと思います。

環境をテーマにしたものやコミュニティを重視したものなど応募者の様々な問題意識が反映された個性豊かな作品、夢のある作品が多く応募されました。

審査の中でやや気になった点は、住宅庭園部門においては、居室からの見え方など居住者の視点、街区公園部門においては、周辺の施設立地を踏まえた利用者の視点、公共的空間部門においては、特殊空間であることへの配慮等が十分ではない作品が見受けられたことです。

今後、作品の計画や表現において工夫の余地があると思います。そのような中で国土交通大臣賞を受賞した長野県須坂園芸高等学校の森山大輝さんの作品は、立地特性や利用者の視点に配慮し、楽しそうな公園の雰囲気が十分伝わるものでありました。

今後のご活躍を期待します。

空間をデザインすることは、創造そのものであり、人々に夢を与える作業です。

来年も多くの方が本コンクールにご応募されることをお祈りいたします。

■鈴木誠委員
(社団法人日本造園学会理事)

 森田志織さんの住宅庭園デザインは、「食への不安」「土への回帰」「農のある生活」などに象徴される現代人の意識を的確に捉え、最も身近な生活空間である住宅庭園にその「用と景」、「使えて楽しく・見て美しいデザイン」を上手に織り込み仕上げている。

社団法人日本造園学会長賞は、新たな技術開発に資する最も独創性や先進性を有する作品を対象にすることになっており、庭園要素の新規性や技術開発に目が向けられがちであるが、造園デザインの独自性は住まう人々の意識を受け止めながら個々の技術を総合して全体を美しく構成するところにある。

この観点から、森田さんの作品は木樽の雨水タンク、コンポストボックス、インゲンのオベリスクや果樹のエスパリエなど、個別のデザイン工夫を繊細な感性感じる確かなパッチワークで総合しており、楽しく美しいエコライフ空間を創出している点が高く評価された。

■土金徳治委員
(全国高等学校造園教育研究協議会理事長)

 今回も多数のご応募をいただき、ありがとうございます。大学生部門では、応募数が激増し、着想やデザインの優れた作品が多くみられました。その一方で、一般部門では応募数が減少し、とても残念です。 高校生部門では、常連校以外の応募があり、今後も継続していただきたいと思います。
 作品の傾向については、時代背景をコンセプトに上手に取り組んだものが多く見られました。部門ごとでは、大学生作品は着想が豊かで仕上がりが綺麗なものが多く、高校生作品については、製図や計画・設計の基本に沿った作品が多く、先生方の熱心なご指導の賜物と感じています。
 また、公共空間部門全体については、特殊空間の緑化特性を配慮した作品が少なく、とても残念でした。
今後に期待したいと思います。

■鈴木一志委員
(全国高等学校造園教育研究協議会副理事長)

全国の造園教育に携わる先生方の熱心なご指導に御礼を申し上げます。

さて、高校生の部では図面の仕上がりにこだわった作品が多く感心しました。
しかし、一方では製図の基礎的な内容に不備のある図面も見うけられました。

また、CADの導入によって透視図などの表現方法が画一化されているようにも感じました。同じような表現の図面が同じ学校から提出されることは致し方ないことだとは思いますが、それぞれのデザインやアイデアを大切にしながら、基礎基本を徹底していただきたいと思います。

■前澤洋一委員
(社団法人ランドスケープコンサルタンツ協会技術委員会副委員長)

全国各地から知恵と汗の結晶である370点もの作品を一同に拝見できる機会を得て、改めて関係皆様の熱意と努力に深く感動しました。

高校生の活躍は例年通りですが、今年は特に大学生の応募が大幅に増加し、レベルも高いものが多く、参加者層の広がりや全体のレベルアップに大きく貢献したと思いました。

社団法人ランドスケープコンサルタンツ協会長賞には、飯野英美里さんの街区公園の作品「木漏れ日に包まれて」を選びました。

周辺の公園と公園を結ぶ「公園軸」を設定してデザインモチーフにすることで、コミュニティの中での公園の位置づけを形態として明確化させつつ、「市街地に共に育てられる雑木林」をテーマとして、明るい雑木林と広場からなる非常にシンプルながらも明快な空間として構成されている点が高く評価されました。

皆さんが、今後とも造園技術への情熱と関心を持ち続け、卒業後も是非とも造園界で活躍されんことを強く期待しています。

■村岡政子委員
(社団法人ランドスケープコンサルタンツ協会総務委員会副委員長)

武蔵野の雑木林の木もれ日の美しい審査会場で、一日をかけて審査を行いました。造園を学ぶ高校生、大学生、若い造園家の方々の力作を拝見し、改めて造園空間づくりの楽しさ、素晴らしさを感じた次第です。

住宅庭園部門は多数の応募があり、個性あふれる作品から、ほのぼのとした手づくり感あふれる生活を描いた作品まで、優れた作品が多数見られました。

一方、街区公園部門と公共的空間部門は応募数も少なく、周辺状況や設計課題を的確に理解し、作品にまとめたものが少なかったように感じました。

なお、今回、入選されなかった作品の中に、豊かな発想や瑞々しい感性に彩られた作品が数多くあり、デザイン力や表現力を磨くと素晴らしい作品になると思われるものが多数あったことを申し添えます。

■橋一輔委員
(社団法人日本造園建設業協会技術委員長)

社団法人日本造園建設業協会長賞として、「実習作品部門」の池山幸大君(京都造形芸術大学4年)を選んだ。

親類の新庭を設計施工したようで、住人の利用意図をコンパクトにまとめ、全体として見映え”良く、すっきりしている。

専門家のアドバイスも見える。学生仲間との共同作業を奨励したい。

岡田鮎美君(島根県立松江農林高等学校)の作品もよく頑張った跡が見える。将来の造園家は、先人の造園作品も含め、自然の風物、各種造形物を、常日頃からよく観察し、美意識を高め、教養を高めることが大切です。



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