INDEX 広報 日造協 2003年12月10日 第357号
1面

全国都市公園整備促進大会  5決議採択し要望行う
平成15年度 造園・緑化産業振興会 代表者会議を開催
秋の褒章・叙勲 当協会員から4氏
技能5輪 新潟閉幕  当協会から4氏が入賞
【樹林】 景観緑3法と指定管理者への対応を  環境緑化新聞 主幹 井上 元

2面 植栽基盤診断士資格認定の創設
合格者183人 決まる (受賞者一覧)
3面

【ふるさと自慢】  第39回 三重 熊野古道 「伊勢路」
オランダのガーデンテクニック  全国から参加、講演会開く
【緑滴】 植栽基盤 林 忠次
【事務局の動き】

4面

【総・支部だより】
        近畿都市緑化祭 フォーラムを開催 近畿総支部
        癒しの時代に対応 遍路みち整備推進 四国総支部
        新しい3Kめざし 校庭緑化シンポ開く 関東甲信総支部
【麹町箱・しぶだより】 冬を迎える準備が急ピッチで進む石川の年末歳時記 福井県支部

 

1面

全国都市公園整備促進大会 
5決議採択し要望行う

大会のもよう

 全国都市公園整備促進大会は11月21日、東京・千代田区平河町の砂防会館で開かれた。 大会は冒頭、主催者を代表して土屋正忠全国都市公園整備促進協議会会長が「都市の緑は減り続けている。できる限り緑地を確保しようと努力してきたところ、小さな緑地でも多様な生き物が生息できることがわかり、緑が生き物にとって欠かせない空間であることを痛感した。適切な予算の確保とともに、法制度の充実が求められる」とあいさつ。
 来賓から林幹雄国土交通副大臣が、「ヒートアイランド対策が10月10日に閣議決定され、社会資本整備の柱として、都市緑地の整備が盛り込まれた。都市の緑地は、公園に限らず、道路、河川など多岐にわたる。今後は、横断的に目的を設定し、都市緑化を進めていく」と祝辞を述べた。 また、都市公園緑地等整備促進議員連盟を代表して、野呂田芳成衆議院議員が祝辞。「防災公園の整備や屋上緑化の推進など、いろいろな措置を講じており、社会資本整備の重点事項を実行するために “景観緑3法 ”を次期国会に提出。緑化の一体化した整備が求められる」などと語った。 その後、意見発表と大会決議採択を行い、「社会資本整備重点計画」の目標達成に向けて、都市公園整備・緑地保全事業等の一層の展開が図られるよう、平成16年度政府予算編成にあたって、予算の確保など5つの事項に特段の措置が講ぜられるよう強く要望する大会決議を満場一致で採択した。大会のもよう

平成15年度
造園・緑化産業振興会
代表者会議を開催

 造園・環境緑化産業振興会代表者会議が去る11月13日(木)、弘済会館において開催された。「造園・環境緑化産業振興会」は平成9年に造園緑化産業関係団体((社)日本造園建設業協会、(社)日本植木協会、(社)日本造園組合連合会、(社)ランドスケープコンサルタンツ協会、(社)日本公園施設業協会の5団体)で構成され、緑豊かな環境文化の創造に貢献することを目的として新緑の政策大綱等に対する提言や造園・環境緑化に対する世論の形成を図るため、一般雑誌への意見広告やサンケイカラー百科を通じて啓蒙活動を実施してきている。 当日の会議では、冒頭(社)日本公園施設業協会副会長永島勝治氏より開会の挨拶があり、続いて来賓として出席いただいた国土交通省都市・地域整備局公園・緑化事業調整官船引敏明氏より行政改革の最近の動向、補助金の問題、新規事業の評価、都市再生等、また、社会資本重点計画をもとに都市公園整備、緑化事業への取組みについて有意義な話があり、業界に対しては「想像以上に社会の変化が進んでいる。課題を提起し、前向きに取り組むこと。また、新しい分野へのチャレンジを期待したい。」と述べた。 議事では、@ 平成14年度事業報告と決算について、A 平成15年度事業計画(案)と予算(案)について審議され、いずれも承認されたが、今後の課題として、企画政策、広報部会以外に5団体の共通課題を抽出して成果を得られるよう積極的に取り組むこととした。B その他では、高い専門能力の造園技術者のための教育・学習の支援制度「造園CPD」(継続教育制度)について報告があり、その後、各団体での課題について意見交換が行われた。最後に(社)日本植木協会会長幡谷勉氏の閉会の挨拶で終了した。 なお、出席者は以下の通り。
 ▼(社)日本造園建設業協会=成家次男会長/佐藤四郎副会長/杭本克彦副会長/高平三朗専務理事▼(社)日本植木協会=幡谷勉会長/栗原理副会長/水城清志副会長/白岩悦夫専務理事/▼(社)日本造園組合連合会=吉村隆一理事長/坂本裕彰専務理事▼(社)ランドスケープコンサルタンツ協会=杉尾伸太郎会長/細谷恒夫副会長/桜井栄一事務局長▼(社)日本公園施設業協会=永島勝治副会長/内田裕郎副会長/高橋信行専務理事

秋の褒章・叙勲 当協会員から4氏

廣田氏 大島氏
伊藤氏 田中氏

【黄綬褒章】 
 田中安太郎(63)=石豊造園土木代表取締役、元京都府造園建設業協会副会長、京都府久御山町 
 廣田幸生(59)=ヒロタ旭翠園会長、日本造園建設業協会奈良県支部支部長、橿原市 
 大島嘉七(60)=大島造園土木代表取締役、道路緑化保全協会理事、名古屋市
【旭日双光章】
 伊藤亨(70)=飛鳥ガーデン会長、元日本造園建設業協会富山県支部支部長、富山市 

技能5輪 新潟閉幕 当協会から4氏が入賞
全国大会を開催

 第41回技能五輪全国大会「技能五輪にいがた ゆめ・技・モノがたり2003」が10月24日から27日まで、県内・朱鷺メッセなど6会場で開かれ、34職種、974人が参加。職人技を堪能しようと訪れた見学者は12万人を超えた。 このうち、造園職種では、当協会員から4氏が入賞。金賞の厚生労働大臣賞・井手隆一氏(21歳、大川内造園梶E佐賀県伊万里市)、銀賞・浦野幸裕氏(滑F楽園・熊本県)、銅賞・前山幸輝氏(活ョ日緑化建設・佐賀県)、敢闘賞・池端潔氏(伊勢造園建設梶E熊本県)が受賞の栄に輝いた。

【樹林】 
景観緑3法と
指定管理者への対応を
環境緑化新聞 主幹 井上 元

 「景観緑三法」が次期国会に提出される見込みとなった。三法とは、「景観に関する基本法制の整備」、「緑に関する法制の抜本的見直し」、「屋外広告物に関する制度の充実」である。美しい景観と豊かな緑の総合的実現のために、「世界に誇れる観光立国の実現」「美しい景観による地方都市の再生」「ヒートアイランド現象の緩和と自然との共生」を柱とした。また、電線の地中化、街づくり支援等の予算措置、景観に配慮した建築の形成、里山の緑の保全などについては特例を設け税制面で支援するなどだ。
 特に、緑化については、『都市緑地保全法』に「緑地保全地域」(仮称)として、新たに都市近郊の里山等を対象に緑地の保全、「緑化地区」(仮称)を、大規模敷地の建築物を対象に緑化率規制も導入する。市民緑地では緑化施設型、公開する緑化施設を追加、地区計画の活用では、緑地の保全のための制限を設ける。
 さらに『都市公園法』において、「立体的に公園区域を定める制度」、「NPO等による公園施設の設置管理」、「借地公園整備の促進」、「監督処分等の手続きの整備」など盛りだくさんの内容だ。こうした一連の緑の保全・創出のための法整備の充実は、関係者の歓迎するところである。
 日造協も「街路樹剪定士」「植栽基盤診断士」など、社会的評価を得るための取り組みが進められ、その結果は一部では発注要件に盛り込まれるなどしている。
 他方、行政事務の簡素化が叫ばれ、植栽管理と清掃が一つの営業種目にまとめられるなどの動きも急である。このため、適切な緑の管理が危ぶまれている。本年6月には地方自治法の一部を改正する法律が公布された。これにより民間事業者が「指定管理者」として公園をはじめとする公の施設の管理を代行できることになった。管理者は施設の使用許可や利用料金も自らの収入とすることができるなど、管理者次第で管理のあり方も大きく左右される時代を迎えている。マネージメントビジネスが広がる一方だ。すでに多くの業種で、管理者を目指す動きがみられるものの緑の素養がない管理者の場合、適切な管理が行われるのかの疑問が残る。
 緑の創出・保全は、法整備での基盤と現場の専門家が専門技術を発揮するだけでなく、管理運営段階での適切な対応が欠かせない。緑も景観も、つくることより、管理することの方が大切と思う。適切な緑の管理についての社会的共通認識の獲得は急務だ。現場の管理に加え、管理・運営についても、専門家にまかせるべきだ。「お庭番」は本来、造園の仕事である。うかうかしてはいられない。

2面

植栽基盤診断士
資格認定の創設
合格者183人決まる

(受賞者一覧)

植栽基盤診断士 資格認定の創設
 (社)日本造園建設業協会では、植物の正常な生育に適した植栽基盤の確保をめざし、植栽地の土壌の調査、診断、改善処方を専門とする「植栽基盤診断士」制度を創設した。
植栽基盤診断士制度 創設の背景と目的
 地球環境保全に高い関心が寄せられている現在、自然と調和した生活環境を確保するためにも、緑化の重要性が増している。
 良好に生育する植物は、光合成による二酸化炭素の固定、多量の蒸散などにより、都市部のヒートアイランド現象の緩和や大きくは地球温暖化の防止にも貢献しているとともに、生態系の保全効果も備えている。
 緑の保全、創出、活用のために行われる現在の緑化工事では、量的な確保だけでなく質的な充実も求められているが、植栽した樹木の生育不良や枯死は、貴重な生物資源の浪費であるとともに経済的にも大きな損失となる。
 植栽工事での植栽樹木の枯損や生育不良の原因の中で、最も多いと推測されているものが植栽地の地盤不良である。
 気候に恵まれ雨の多い日本では、自然の状態の緑地や山野の柔かい土壌では植物が勢いよく繁茂するのが普通であるが、道路や大規模な造成がされた場所などでは、固い地盤や排水不良などにより植物が正常に生育できず、地盤不良のままでの植栽施工が増えるにつれ大きな課題となってきた。
 このような研究の中で、造園用あるいは緑地用の「緑地土壌学」という分野での研究が求められ、建設省(現、国土交通省)、住宅公団(現、都市整備公団)、道路公団をはじめとして造園関係の各分野で研究が進められてきた。
 このように、「植栽基盤」は植栽される植物の活着と生育に大きな影響を及ぼすため、造園の施工者においてもこれに対応できるよう、植栽基盤整備の充分な技術力の向上が急務となっていることから、6日本造園建設業協会では建設省(現、国土交通省)の土木研究所の協力をあおぎ、平成2年度から4年間にわたり “植栽基盤の造成技術に関する共同研究 ”を行った。 植栽対象地の改良を提案するためには現場の調査、土壌の物理性、化学性の診断、排水性の確保、植栽される植物の性質や工法、経済性の比較など施工者側の植栽基盤に関する高度な技術が要求される。
 計画地の調査・診断結果をもとにして植栽基盤整備の観点にたって下す処方能力、提案力を保有していることがますます施工者側に問われることになると予想される。
 そのためには、体系的、組織的に植栽基盤に関する質の高い技術者を育てていくことが必要となる。
 このような状況を背景として、10年以上にわたり(社)日本造園建設業協会が調査研究と研修を重ねてきた、「植栽基盤整備」の集大成として、植栽基盤診断士の認定制度が創設された。 また、国土交通省の「新土木工事積算大系」の工事工種の体系化が構築された中で、公園緑地分野においては「植栽基盤工」が新工種として採用され、平成13年度より直轄工事で本施行となった。これに伴って各地域の多くの発注庁で「植栽基盤工」が採用されるよう期待される。
「植栽基盤診断士」の役割
 「植栽基盤」に係わる分野は、造園施工に携る者にとっての専門領域であり、植栽基盤整備に関する総合的な技術力が求められる。
 「植栽基盤診断士」は、植栽基盤、土壌、植物、植栽に関する知識と経験、及び土壌調査・診断結果をもとにした処方能力を総合的に備え、植栽基盤整備に係る卓越した技術力を有する総合的な専門家である。
 植栽予定地の現況調査と診断、植栽基盤とするために必要な改良の計画立案と具体的な処方を発注者等へ施工性、経済性を考慮して明確にデータを示しながら技術提案することがその重要な役割となる。
植栽基盤診断士試験の概要
 植栽基盤診断士となるためには・筆記試験である「植栽基盤診断士認定試験1次試験」に合格し、講義、実地、面接による「植栽基盤診断士認定試験2次試験」に合格後、植栽基盤診断士登録をする必要がある。
植栽基盤診断士に求められる能力
 @植栽基盤、土壌に関する知識 A植物に関する知識 B植栽に関する知識 C植栽基盤整備のための調査・診断・処方能力 D説明力、提案力更新講習
・植栽基盤診断士としての能力をさらに高めるために新技術や新工法の情報を補強し定期的な研修により3年ごとの定期的な更新研修を行うことになる。

植栽基盤とは
 (社)日本造園建設業協会は、平成2年度から4年間にわたり建設省(現国土交通省)の土木研究所と “植栽基盤の造成技術に関する共同研究 ”を行った。この時はじめて植栽基盤とは「植物が正常に生育できるような状態になっている地盤」だけを示す用語であると定義し、「植物の根が支障なく伸長して、水分や養分を吸収することのできる条件を備えており、ある程度以上の広がりがあり、植物を植栽するという目的に供せられる土層を植栽基盤という。なお、排水層がある時はこれを含む。」と定義された。 植栽基盤が成立するためには下記の事項が必要となる。
 1.整備すべき範囲の地盤が、十分な厚さと広がりを持つこと。 2.物理的条件として ・透水性が良好であること
 ・適度な硬度があること
 ・適度の保水性があること
 3.化学的条件として ・植物の生育に障害を与えるような有害物質を含まないこと
 ・酸度が適当であること
 ・適度の養分を含んでいること
が必要である。(図1参照)

第1回植栽基盤 診断士認定試験
 今年度の試験の結果については、近藤三雄東京農業大学教授を委員長とする「植栽基盤診断士認定試験等に係る認定審査委員会」により合否の判定が行われた。
 平成15年12月2日〜4日に講義と面接を東京都渋谷区代々木の国立オリンピック記念青少年総合センターで、屋外実習を都立代々木公園で開催した。 11月5日に第1次試験の結果について、12月10日に第2次試験の結果について「植栽基盤診断士認定試験等に係る認定審査委員会」を開催し厳正に審査致した結果、今回の植栽基盤診断士認定試験の総支部、支部別合格者は次の通りとなった。

青森県】加賀博・環境緑花工業梶^上田早史・竃村緑産
【岩手県】山口弘幸・むつみ造園土木
【宮城県】渡辺裕一・葛{城県林業開発センター/平野晶也・東洋緑化梶^音羽裕・且ナ玄/菅原伸幸・東北緑化環境保全梶^名嶋英二・東北緑化環境保全梶^渡邊義雄・東北緑化環境保全梶^村田行雄・青葉緑化工業梶^佐藤敏義・むつみ造園土木梶^石野陽一・鞄喧k緑進総合
【秋田県】榎清英・むつみ造園土木梶^田口和英・桂造園土木梶^木村昭二・竃リ村造園/船越文雄・アルファグリーン梶^酒井利明・アルファグリーン梶^佐藤博美・鰍かつき造園土木/佐々木吉秋・鰍ウさき造園土木/鈴木力・轄♀y園/安田豊・秋田十條緑化梶^佐々木寛・高谷林業梶^永井浩美・東北緑化環境保全
【山形県】渡部敦・庄内園芸緑化梶^海野栄次郎・内外緑化梶^大井寿一・山形緑十字
【福島県】四ツ倉隆裕・且R一緑化土木/室原由行・叶ツ葉造園土木
【栃木県】田名網久芳・八州造園
【埼玉県】小野文夫・西武造園梶^横山浩行・渇。山園芸/渥美貢一・鞄燗c緑化興業/岡島・安行造園梶^本間徹・西武造園
【千葉県】中村伸雄・叶カ光園/篠崎孔久・石川造園土木梶^上松瀬尚人・内山緑地建設梶^川西正・川西造園土木
【東京都】稲山豊・兜x士植木/金子彰浩・アゴラ造園梶^別所光彦・アゴラ造園梶^今琢磨・大島造園土木梶^大塚浩光・東武緑地建設梶^宇田川健太郎・箱根植木梶^吉村知泰・葛g村造園/田口浩章・住友林業緑化梶^丸健一・住友林業緑化梶^植田共一・西武造園梶^鈴木信晶・東光園緑化梶^山下得男・兜x士植木
【神奈川県】木村義広・竃リ村植物園/田中雅幸・鞄c澤園/冨田改・鰹テ南グリーンサービス/難波良雄・難波造園梶^辻岡敬・東急グリーンシステム梶^生方幸寿・生駒造園土木梶^金川繁男・湘南造園
【山梨県】石原啓邦・潟Aセラグリーン/萱沼昭一・富士急建設
【長野県】原孝昭・文吾林造園梶^奥原正司・渇恁エ造園
【新潟県】石田桃子・潟jューガーデン/長谷川実・叶A木環境緑化/鈴木達世・叶崎農園/渡邊喜文・且ヨ場緑地建設/塩田春男・巨^緑/秦隆治・叶V潟造園土木/加藤直人・竃{間造園/星野一・竃{間造園/小林謙郎・葛{川苑/浅野やい子・らう造景
【富山県】野上一志・竃上緑化/中曽根勝人・樺曽根造園/小杉勇治・且ト崎農園/古崎三夫・立山造園土木梶^釣谷孝義・渇z路ガーデン/大田國彦・蒲ァ山農園/寺尾佳也・中越緑化梶^山口仁志・去R口造園
【石川県】井川真弓・井川造園梶^井川國雄・井川造園梶^竹田清明・北川緑化工業梶^牧野孝則・北川緑化工業梶^笠井順二・樺芸社
【岐阜県】國島隆重・蒲ァ花園/山田政幸・樺萬/常川隆・鰹川グリーン
【静岡県】内山晴芳・天龍造園建設
【愛知県】鈴木重蔵・岩間造園梶^林康之・大島造園土木梶^坂井善宗・大島造園土木梶^加藤悟・岩間造園梶^伊藤禎彦・岩間造園梶^冨田均・高村造園土木梶^増田剛野・東海緑化梶^足立幸弥・ヤハギ緑化梶^矢野博・大昭和住宅
【三重県】田中龍雄・轄K泉/薄井哲・泣Eス井樹園/久保田昌浩・鞄穴C美松園/水谷春海・叶谷造園/田中清平・竃シ阪造園
【福井県】林忠次・潟Oリーンシェルター/山本完希・巨A仙庭園工務所/中村雄二・鰍オばなか/白崎忠男・鰍オばなか
【滋賀県】和田忠美・轄vリ造園/八木覚・花文造園土木梶^吉川政昭・葛g仁園
【京都府】佐野晋一・叶A藤造園/小林正典・鰹ャ林造園/藤本豊・叶A藤造園/加藤友規・植彌 加藤造園梶^井上勝裕・叶A芳造園/小林久仁嘉・鰹ャ林造園
【大阪府】押田博孝・京阪園芸梶^畠中研治・潟Nリエイティブ阪急/橋本啓太・潟Tトウ花店/竹中禎敏・樺|中庭園/當内匡・樺樹園/奈須正典・鞄゙須造園/林洋助・西武造園
【兵庫県】池田英樹・阪神園芸梶^秋武直敏・神港農園藝梶^植木信一・鞄本造園緑地交社/辻本勝行・樺メ本龍松園/安田奨・樺メ本龍松園/石川延寛・葛、同園芸
【奈良県】今西康彰・褐S山共同園芸/町田一仁・潟qロタ旭翠園/西胤玲仁・近鉄造園土木梶^窪田洋・潟Kーデンヤマト/藤村信夫・褐b水園/柁谷政徳・潟qロタ旭翠園/中島祥之・花佐造園
【和歌山県】吉本忠生・葛g本園芸
【岡山県】松岡憲二郎・神戸企業
【広島県】正本大・みずえ緑地梶^砂田辰彦・千晃梶^坂本竜二・廣島緑地建設梶^宮崎信之・蒲L斐園
【鳥取県】吉田哲史・潟`ュウブ/田中和夫・樺ケ取グリーン/伊藤亨・鞄n辺造園
【島根県】柳井良仁・大畑建設梶^多々納敏・樺の川島/足立洋・拒ォ立農園/野津靜・拒ォ立農園/野崎倫央・鞄c部/又賀義筆・鰍烽ソだ園芸
【山口県】山本敏昭・山本造園梶^多々良健司・椛ス々良造園/大木秀昭・大木芳樹園
【徳島県】田川一郎・南海造園土木梶^高瀬英二・渠ェ万造園土木/松本達樹・鰹シ本観翠園
【香川県】森茂・叶X造園
【愛媛県】井門義彦・瀬戸内緑地梶^高須賀盛満・a須賀緑地建設
【福岡県】村岡辰一・鞄s市造園/古賀正・古賀緑地建設梶^池尻豊樹・木下緑化建設梶^高嶋浩司・轄s造園/矢野敏之・葛繽B造園/山本和美・尊農社緑地
【佐賀県】相良善次・蒲t隠緑化建設/馬渡康禎・蒲ホ花園/鵜池和秀・渇L池造園/鵜池邦敏・渇L池造園/鳥越澄男・兜雛Y緑化センター/牟田儀宏・竃エ田林業緑化
【長崎県】海老沼正幸・糾C老沼造園/為永一夫・潟^メナガ造園/山下武夫・樺ゥ長緑化建設
【大分県】綿貫陽治・鰍ヤんごつつじ
【宮崎県】西山亮一・潟Eエダ
【鹿児島県】井上恒治・井上総合緑化建設梶^有村勝則・有村総合建設梶^福満弘智・樺キ島植物園/蕨野世紀・有村総合建設
【沖縄県】名嘉孝仁・渇ォ縄庭芸/久保茂・潟Oリーンテックトーバル/崎濱秀也・樺嶺造園土木

3面

【ふるさと自慢】
第39回 三重 熊野古道「伊勢路」

 三重県は、近畿地方の南東部にあって、岐阜、愛知、滋賀、京都、奈良、和歌山の府県に接し、東は伊勢湾に南は熊野灘に面し、地形は、北から南に細く伸びた(約170q)中ふくらみのクシ形であり、片仮名の「メ」に似た形であるといわれております。 ふるさと自慢のテーマとしている「熊野古道・伊勢路」は県の南部で紀伊半島の南東部に位置する東紀州地域で、かつては奥熊野と呼ばれ、古事記とか日本書記にも登場する古くから開かれた土地であります。
 熊野古道は熊野三山(本宮大社、連玉大社、那智大社)にお参りするための道であります。
 伊勢から、吉野から、高野から、そして京都からと幾筋かの道順がありましたが、代表的には紀伊半島を西回りする「紀伊路」と、東回りの「伊勢路」がありました。
 紀伊路は、平安中期から鎌倉期にかけて盛んに行われた法皇や上皇らの御幸ルートで、道筋には熊野権現の末社として九十九王子社が祀られています。これに対して伊勢路は、江戸時代以降、伊勢参宮を終えた旅人や西園三十三ケ所めぐりの巡礼者たちに盛んに歩かれるようになった、いわば庶民の道と言えます。
 古来より、熊野詣は苦行の代名詞でありました。岩山が海岸線にまで迫る紀伊半島は、峻険で雨が多いため、峠越えの難路には土砂の流出や道の崩壊を防ぐための石畳がしかれています。狭い石畳道を多くの旅人が一列になって歩く姿は “蟻の熊野詣 ”とも称され、今に伝えられています。 時代につれて旧街道は整備され、先人達が築いた熊野古道伊勢路は、その使命を終え、いつしか私たちの生活から遠い存在となってしまっていました。
 道は生きもの歳月とともに姿を変え、地図上で見る熊野古道伊勢路も国道42号線とJR紀勢本線に重なっていて、すっかり姿を変えたかに見えますが、雨の多い東紀州の地域には堅牢美質の桧の美林のなかに続く石畳の道は芸術品ともいえる見事なものであり、それに調和するかの深い緑と清らかなせせらぎ、そして路傍にたたずむ石仏も今なお残り往時を彷佛とさせます。 ひっそりと続く石畳の道の延長にある峠路からは熊野灘の遠望があり、どこまでも続く透明な海、波の間に浮かぶ緑ゆたかな島々はすばらしい自然を感じさせてくれています。
 苔むした石畳道その路傍にたたずむ石仏や一里塚など時の彼方に忘れ去られようとしている古道を、地域の歴史遺産として見直し、地域住民の深い関心が寄せられ、修復保存に努め古道の管理保存に地域住民が立ちあがり、石畳の道の整備、古道のコースの紹介、案内標識の設置、探訪ウォークの開催など地域あげて取り組まれていて、熊野古道に訪れる人々によって少しずつ昔日の生気をとりもどし歴史を蘇り古道伊勢路は歩き親しんでいただいているのであります。
◆【熊野古道伊勢路の峠の例】 
 桧美林を通る  端正な石畳道  馬越(まごせ)峠
 海山町と尾鷲市の境をなす峠。一面にソダを敷き詰めた尾鷲桧の美林の中に、約2qにわたって苔むした石畳がつづく。
 途中の夜泣き地蔵や馬越一里塚、峠の可涼園桃乙句碑など史跡も多い。峠の東には尾鷲を一望する天狗倉山へのハイキングルートが通っている。峠を下った馬越公園は桜の名所であります。
 浜街道と分かれ  山間を行く本宮道  横垣(よこがき)峠
 熊野古道は花の窟のある有馬で二手に分かれていた。一方は海岸伝いに新宮や西園三十三ケ所をめざして南下する浜街道(巡礼道)。もう一方が、山間を進み熊野川を渡って本宮大社へ向かう本宮道である。神木から風伝峠手前の阪本へ通じるのが横垣峠。民話として伝わる水壷地蔵を過ぎると、峠には東屋が整備されている。
(三重県支部)

オランダのガーデンテクニック
全国から参加、講演会開く

 

 チューリップの公園として世界的に有名なオランダのキューケンホフ(Keukenhof)公園の元園長ヘンクN.T.コスター氏(Henk.N.T.Koster)をお招きして「オランダのガーデンテクニック」をテーマに、植栽デザイン・施工技術・球根植物の最新情報・運営手法などに関する講演会を11月10日に東京渋谷の国立オリンピック記念青少年総合センターで開催し、(社)日本造園建設業協会会員、(社)ランドスケープコンサルタンツ協会会員、造園関係の学生、フラワーパークの関係者、ガーデニングや園芸に携っている方や一般の方など北海道から鳥取県まで広く全国からの参加者があった(写真)。 講師のコスター氏は、1968年から2002年までオランダキューケンホフ公園の花修景デザインを手がけ、1990年より2002年までは園長も兼任した方で、現在はキューケンホフ公園を退職し、フロリアードなど各種イベントの審査委員や花修景デザイナーとして世界各国で活躍されている。
 今回の講演会は7公園緑地管理財団の業務で国営公園の球根植物デザインと現場での実地指導アドバイスのために来日したコスター氏に、最新の球根植栽のデザイン、植付けのテクニック、管理運営上のヒントなど、造園家にとって必要な球根草花の実践的な知識を具体的で判りやすい内容でお願いしたところ快く引きうけていただき実現した。 講演会では、キューケンホフと球根の歴史、デザインと花壇の基盤作りや管理運営のポイントなどとともに、昭和記念公園で行われた実習作業の様子も紹介され、今後の球根植栽技術として重要なポイントも写真を多用してわかりやすく説明があった。
 質疑応答では、具体的な花壇植栽のテクニックを図解しながら詳細な解説が行われ、花期の終った草花を花壇の中でどのように扱うのかなどいろいろなヒントが伝授された。
 終りにコスター氏から最新球根のカタログ『500+』が参加者全員にプレゼントされ好評のうちに終了した。
 この講演会では、オランダ在住の日本人女性であるスズキノリコさんに、植物に関することや園芸品種名にいたるまでの幅広いコスター氏のオランダ語によるお話の内容を、専門用語を交えながら適確な通訳をしていただき、さらに実りあるものになったことをお知らせしておこう。

【緑滴】 植栽基盤 林 忠次

 石川県に根上という地名がある。ヤンキース松井選手の出身地でもある。この地名の由来は知らないが、この名前からみなさんは地表にゴロゴロでている根の情景を思い浮かべるでしょう。
 街路樹の通りを歩くと根が浮き出ていたりしている路は多い。(根元を切断して使うといい衝立になるだろうと思い描く)公園にもこのような根っ子の樹は多い。樹々の生い茂った森のようになっている公園。幹は太いが先端が枯れている樹木、広葉樹なのに栄養不足と土壌が硬くて、「狭」葉樹になっている樹々は随分と多いものです。
我々は今、植栽基盤という言葉と対峙している。植栽基盤診断士の研修をこの夏、7月・8月に総支部単位で集中的に展開した。植栽基盤という考え、概念は今夏、全国を駆け巡った。(少々オーバーかな)樹を植え、育てるのが仕事なのに、樹を大きく育てるための整備目標を持たなかったようだ。
 植栽基盤という疾風は突然吹き荒れ我々を激しく揺り動かし、樹を大きく育てる思いを蘇生させた。この夏2ヶ月間吹き荒れたお陰でこの考えは深く潜行した。我々はこれを学習し、試験に挑戦した。挑戦した人はこの事を隣人に伝えたので、またまた大きく、広く伝播したようだ。
 ただ闇雲に施工図どおりに掘って植えていくのでなく、現場担当者は現場に入ればまず植栽基盤や土壌の現状を調査し樹木を大きく成長させるための改良方針を立てて整備目標を設定し、基盤整備の方法を決める。
 この作業手順がポイントになるだろう。我々は質の高い「みどり」をつくるのが大袈裟に言えば社会貢献だ。
(東京の土壌が関東ローム層でなかったら、植栽基盤はもっと早く全国に伝播しただろうか)

【事務局の動き】 【11月】
5(水)・ 植栽基盤診断士認定審査委員会
10(月)・ オランダのガーデンテクニック講演会
10(月)・ 世界都市計画の日・日本集会
12(水)・ 広報担当者講習会
12(水)・ 近畿総支部役員連絡協議会
12(水)・ 技術委員会
13(木)・ 造園・環境緑化産業振興会代表者会議
17(月)・ 広報日造協編集会議
17(月)・ 教育センター参与会
21(金)・ 野呂田議員表敬訪問
21(金)・ 全国都市公園整備促進大会
25(火)・ 総務委員会作業部会
26(水)・ 事務局長会議(振興基金)
27(木)・ 総務委員会作業部会
27(木)・ 広報日造協新春座談会
27(木)・ 16年度技術検定試験等の実施計画説明会

【12月】
2(火)・ 総務委員会(全国)
2(火)〜4(木)・植栽基盤診断士2次試験
5(金)・ 技術委員会(全国)
9(火)・ 正副会長会議、常任委員長定例会議
10(水)・ 植栽基盤診断士認定審査委員会
15(月)・広報日造協編集会議
17(水)・ 総支部長会議(弘済会館1F葵東) 

4面

【総・支部だより】 
近畿都市緑化祭フォーラムを開催 
近畿総支部

グリーンサーカスのもよう

 秋晴れ空の下、10月25日、26日に京都府立山城総合運動公園(太陽が丘)において、近畿都市緑化祭。みどりの5団体合同フォーラムが開催された。(社)日本造園建設業協会近畿総支部をはじめ、みどりを通じて豊かな環境づくりを日々、考え、創ることを目指す5つの専門団体が、それぞれの “みどりの専門家 ”として個性を出し合いながら “憩う・遊ぶ・触る・食べる・学ぶ・創る ”をテーマに、暮らしの中にある身近なみどりを実感できるみどりのフェスティバルです。 “グリーンサーカス2003 ”と銘打ち、第3回目を迎えた今年は「根のある・実のある・みどりのくらし」をスローガンにみどりへの関わり方を専門家から提案、技術力をアピールすることにより市民、事業者、行政等広くみどり意識を高め深めることを主眼としました。
 開会式典の後、〜桜守〜佐野藤右衛門氏によるみどりの講演会「人間の都合と自然の都合」で幕が開かれた。人と自然との様々な関わりがどのように共生を生むのか、わかりやすく楽しい話に聞き入った。今回は京都の地開催で京都らしさと新しいみどり空間づくりに、みどりを知ろう!みどりを考える!みどりを楽しもう!の3つのプログラムで企画遂行しました。京都府支部が担当したシンボル庭園は、会場中央部に京の街をイメージして山々に囲まれた碁盤の目をステンレス平板上に竹と花と苔で自然・人・街を描き人と自然の共生を表現しました。広場では剪定枝のリサイクル・バーク堆肥づくりの実演、破砕機の大きな音とともにチップ化される過程を見学して頂き、花鉢やリサイクル・バーク堆肥4000袋を配布し好評を得ました。会場には各種のイベントが展開され、2日間にわたり多くの来場の市民と共にみどりのフェスティバルを楽しんだ。(京都府支部)

癒しの時代に対応 
遍路みち整備推進 
四国総支部

遍路みち整備のようす

 21世紀は環境の時代といわれ物質的な充足から、精神的充足・自然的充足の時代へと変化しているなかで、四国地方では “癒しの道整備 ”として、「遍路みち」の整備がここ数年耳にするようになってきた。 そこで、四国総支部では平成15年度より「遍路みち」の整備を事業として取り組むこととした。 初年度は徳島県支部担当で徳島県神山町内において実施した。現場は最後まで残った空海の道(1200年前の空海が歩いた自然がそのまま残る「遍路道」心いやされる新四国のみち)といわれる、第11番藤井寺から第12番焼山寺までの間で、歩き遍路で一番の難所(へんろころがし)といわれるところの200mの区間を10月22日・29日の2日間おこなった。 現地は、自然石が点在し深掘れして非常に歩きにくい状態にあった。
 支部会員により石を取り除き、急登の箇所には造園の技術で現地の石材を利用して階段を、緩やかなところは石畳にした。なお、29日には県・町の担当者及び地元紙(徳島新聞)の取材を受けた。 今後これらのボランティアを続けるとともに、新規事業の創設について関係機関に要望し実現を目指したい。

新しい3Kめざし
校庭緑化シンポ開く
関東甲信総支部

校庭緑化シンポジウムのもよう

  去る11月6日、長野県三郷村公民館において、日造協関東甲信総支部、長野県支部、長野県造園建設業協会の主催により、校庭緑化シンポジュームが開催され、関東甲信地区の造園業者、長野県内の自治体議員、教育委員会、教師、父母、教員組合の先生など270名が参加して基調講演や、芝生化工事の工事報告、パネルデスカッションに聞き入った。 三郷村では、昨年から今年にかけて村内唯一の小学校のグランド約3000uを関東甲信総支部の助成を受けて芝生化した。実地を見ていただくと共に、理論的にも芝生のもつ優れた点などを教育関係者共々学び、関東一円に広めたいというのが開催の趣旨である。
 福士長野県支部長は開会あいさつで、「用地費の要らない国民が切に望んでいる環境改善、教育再生に貢献できる公共事業はないかと考えた末にたどり着いたのが学校グランドの芝生化事業であり、長野県を芝生グランドの先進県にして、他県からたくさんの視察者が訪れて地域経済も潤うようにしていきたい」と述べた。
 基調講演では、東京農大の近藤三雄教授が「芝生は環境、健康、教育、新たなコミュニケーションの形成など多面的効果をもたらす。芝生の造成、管理技術は世界トップクラスであり、問題は予算付けだけである。
 羊ややぎなどを校庭に放ち、芝刈りに替え、動物とのふれあいや地域のコミュニケーションづくりに活用してはどうか」との提案も含めたお話があった。
 文部科学省の増川敬祐助成課課長補佐からは、文科省が校庭緑化に取組む背景として、第一に温暖化防止等の地球環境対策、第二に子どもの体力向上と環境教育の実現などのためであり、これら実現のために助成制度を設けている旨のお話があった。
 日造協会員の叶M州グリーン社長の藤原繁幸さんからは、同社が開発した環境にやさしいエコアースシステムや芝生には散水スプリンクラーの設置が不可欠であり、設置しておけば、維持管理において散水の手間が省けて、維持管理経費節減にもなる旨の話があった。
 パネルデスカッションでは千葉県平賀小学校前校長の佐藤光利先生から、事前の充分な調査研究の必要性について、東京都杉並区立和泉小学校上田讓二教頭先生からは、地域と一体となった芝生を中心とした特色ある学校づくりについての報告があった。
 地元の三郷小学校の柳澤厚志教頭先生からは児童の85%の生徒が芝生を歓迎していることが、また、細萱茂明PTA会長からは親子の星空観測を芝生のグランドでやりたいなどの期待が述べられた。 西山馥司三郷村長は、欧米視察で学校グランドが芝生であったのをみていたので決断できた。教職員や村民の理解を得つつ、全面芝生化も検討したいと述べられた。
 三郷小学校のグランドでは、芝刈り機器の実演も行われ、また会場入口では、安曇野のりんごやワイン、お菓子なども販売され地域経済への波及も模索された。
 長野県内ではその後複数箇所で芝生化の動きが出ている。(長野県支部 事務局長・滝沢信男)

【麹町箱・しぶだより】 
冬を迎える準備 急ピッチで進む
石川の年末歳時記 福井県支部

【景 観】
 毎年11月の声を聞き遠く白山の頂きに新雪が輝く頃、県内の造園業者の周辺が慌しくなる。ご存知のごとく、冬の積雪から、樹木を守るための雪吊りや雪囲い作業が始まるためである。 兼六園では、「唐崎の松」をはじめとする名木が25メートルを超える梢の更に上から、800本以上の縄で傘状に覆われ、葉の緑と縄の白さが得も言えぬコントラストを醸しだす。また、市内の武家屋敷の土塀を藁で覆い、凍結によるひび割れを防ぐ「こもかけ」作業もぼちぼち始まる。奥能登輪島の民家では海の寒風から家を守るため、周囲を真竹や苦竹で囲う「間垣」造りも急ピッチで進む。12月ともなれば能登の海岸には海鳴りがとどろき、岩棚に白い「波の花」が幽玄に舞い踊る石川の冬が訪れる。
【味 覚】
 金沢市民の台所近江町市場は、この時期食材を求める人々で身動きもままならぬ雑踏を呈する。威勢のよい売り子の声が響き、蟹、アマエビ、鱈、鰤など日本海の荒海で揉まれ、身の引き締まった海の幸がところ狭しとならべられ食欲をそそる。刺身佳し、煮物佳し、鍋佳し、日が落ち仕事を終えた後は、よき友と共に地酒の熱燗に合わせ、味わい語り合う至福のひとときが待っている。
【誘 い】
 12月忘年会シーズンともなれば、北陸随一の繁華街香林坊や片町界隈は一段と華やかさを増す。街角には若い女性が並び、とおりがかりの酔客に、愛嬌を振りまく。露地の赤提灯からは、美味そうな匂いと共に賑やかな話し声が漏れてくる。まっすぐ家路を辿るには、かなりの勇気が必要な雰囲気である。かくして、石川の年末は人々の間を足早に駆け抜けて行く。(石川県支部)