1面 |
第15回
全国「みどりの愛護」
のつどい開催
国営吉野ケ里歴史公園で
緑化を啓発
天皇陛下ご臨席のもと
1500人が参加
園内を視察される皇太子殿下
関係者一行
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第15回全国「みどりの愛護」のつどいが、平成16年4月24日(土)佐賀県神埼郡(神埼町、三田川町、東脊振村)の国営吉野ヶ里歴史公園で、皇太子殿下ご臨席のもと、盛大に開催された。
つどいは「みどりの日」の趣旨を踏まえて、広く緑化意識の高揚を図り、緑豊かな潤いのある住みよい環境づくりを推進することを目的に開催され、式典では約1500人の参加を得て、石原伸晃国土交通大臣をはじめ、各界のあいさつのあと、「みどりの愛護」の功労者表彰が行われた。
また、式典に参加された皇太子殿下からは、「みどりの愛護活動に携わっておられる皆さんとともに、出席できることをうれしく思います」とあいさつされた後、「地球規模での緑の保全と育成が人類共通の課題となっている今日、緑を守り育てていくことは、私たちの重要な責務であると思います」と緑化の大切さを示すお言葉をいただいた。
式典後、皇太子殿下には園内で記念のヤマザクラを植樹、弥生時代の竪穴住居や物見やぐらが再現された北内郭などを視察された。
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全国都市公園・
緑化・緑地保全
主管課長会議開催される
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国土交通省は去る4月19日(月)、10階共用大会議室において、各都道府県、政令指定都市、地方整備局の担当課長及び関係公団などの出席のもとに「全国都市公園・緑化・緑地保全主管課長会議」を開催した。
当日の会議には、都市・地域整備局高梨公園緑地課長、舟引公園・緑化事業調整官、上島緑地環境推進室長をはじめ、公園緑地課の幹部職員が出席した。
全国都市公園・緑化・緑地保全主管課長会議は、新年度に入り、国土交通省都市・地域整備局公園緑地課所管の主要事項について説明するとともに、公園緑地関係者のこれらの事業の推進についての理解と協力を得るため、毎年開催されている。
今回は、国土交通省から @ 都市緑地保全法等の一部改正について A 公園をめぐる最近の動きについて B 平成16年度都市公園・緑地保全等事業予算の概要 C 地方整備局等における都市公園等の執行体制について D 事業の効率化・透明化の推進と予算の適正な執行について E 緑地の保全・緑化の推進 F 屋外広告物法の一部改正についてそれぞれ説明があった。
今年の主な議題は次のとおりである。
(1) 都市緑地保全法等の一部改正について
(2) 公園をめぐる最近の動き
@ 地方分権改革推進会議の動き
A 経済財政諮問会議(地域再生)について
B 都市再生について
C 地球温暖化問題への対応について
D ヒートアイランド対策の動き
E 造園工事の内容及び例示の見直しについて
(3) 平成16年度都市公園
・緑地保全等事業予算
@ 緑地環境整備総合支援事業の創設
A 立体公園・借地公園の整備の推進
B 防災公園等の整備の推進
C 緑化重点地区総合整備事業
(4) 事業の効率化・透明化の推進
@ 緑の基本計画の策定の推進
A 公共事業の評価システム
B 公園緑地工事積算大系の整備
(5) 緑地の保全・緑化の推進
@ 新たな緑の政策大綱
A 都市緑地保全法による緑地保全・緑化推進制度の体系
B 古都保存行政について
C 緑化の推進に関する普及啓発
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平成16年度 春の褒章
当協会から3氏が受章
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春の褒章がこのほど発表され、当協会から3氏が受章の栄に輝いた。
【黄綬褒章】
井上剛宏 (57) 植芳造園代表、京都府京都市
星三郎 (65) 星造園土木会長、宮城県仙台市
鈴木次男 (64) 水郷園建設代表、茨城県麻生町
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【樹林】
スポーツで命の輝きでる国づくりを
東京農業大学 教授
福岡 孝純
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「健康が全てではない、しかし健康がなければ全ては無意味である
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ショーペンハウエル」この言葉を私はドイツの黄金計画の立案者であり、今は亡き恩師であるゲルト・アーベルベック氏より教えられた。
言うまでもなく黄金計画とは、健康は黄金のように貴いとして、スポーツ&ヘルス・フォア・オールを目指して実行されたドイツの壮大なナショナルプロジェクトである。
それは角を曲れば運動場というスローガンのもと、ドイツ全土にスポーツ広場、スポーツホール、屋内、屋外プール、こどもの遊び場を整備した計画であった。
今のドイツのサッカーなどのトップスポーツの強さもこの黄金計画に負う所が大きい。
ドイツは今や国民の3分の2が何等かの形でスポーツに参加し、3分の1がスポーツクラブの会員という押しも押されぬスポーツ大国だ。
しかし、この計画も初めは、その進行ははかばかしくなかった。しかしアデナウナー首相(当時)の固い信念、スポーツにより国の甦りをはかる。スポーツの哲人カール・ディーム氏や私財を投げうってこのプロジェクトを支えたゲオルク・フォン・オペル氏らの努力で、アーベルベック氏を中心に世界でも未曽有のこの計画は実行され今でも脈々と姿をかえて続いている。現在はトレンド・スポーツやエコ・スポーツ、それにハイキング、サイクリング、カヌー、乗馬などのトレイルの整備に重点が移っているようだ。
スポーツは結びつけ、命を与える働きがある、また人生で困難に立たされた時、これを乗り越え、生きる力や勇気をも与えてくれる。老若男女がいつでもどこでも自分の好きな形式でスポーツを行い、健康で元気になる環境がわが国にとっても必須である。
恩師アーベルベック氏が常に言っていたこと、それはスポーツをすることにより人間は自己の自然を発足し、全き個性が発露できるということである。そして…最も素晴らしいスポーツのあり方は気の合ったスポーツクラブの仲間達と緑豊かなスポーツ施設で行うものだ。とも述べられた。
恩師の亡くなる少し前に一緒に緑したたる、タウナスの森をワンデルンした時のことだ、「私は無数のスポーツ施設をつくってきた。そしてドイツの施設のレベルは世界のトップだろう、だがしかし最近つくづく思うことはこれらもその魅力はドイツの自然の森に遠く及ばないということだ。森には神秘の力がある。森こそドイツ人のロマンをかきたて、その魂に活力を与えるものである。私は人生のゴールに近づけば近づくほど森の自然の偉大さを感じる…」と述べられた。私は困難に直面した時、しばしばこの言葉を思い出す。そして、この日本が再び緑の自然あふれるパラダイスとして、世界中の人が訪れてくれる島にしたいと考えるこの頃である。
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2面 |
浜名湖花博が開幕
入り口を入って正面の「ほほ笑みの庭」。富士山と太陽を中心に広大な茶園をイメージした静岡県らしさを演出している
マガモのトピアリーが展示されているカナダ庭園
水辺の農村風景をイメージしたタイ庭園
見事に作り上げられたカイズカイブキ
奇跡の植物・ジュラシックツリー
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「しずおか国際園芸博覧会『PACIFIC FLORA 2004』(浜名湖花博)」が、4月8日から10月11日までの187日間にわたって、静岡県浜松市の浜名湖畔で開催されている。第21回全国都市緑化フェアも同時開催だ。
会場の浜松市村櫛町は浜名湖に突き出た庄内半島、潮の香りが心地好い風光明媚な地。
テーマは「花・緑・水 〜新たなる暮らしの創造〜」。「世界に広がる花・緑・水を活かした魅力的なまちづくり」を柱として、園芸・造園産業の振興と活力ある新産業の創出、新たなライフスタイルの創造と潤いのあるまちづくりの推進、国内外との積極的交流と世界へ向けての情報発信。
広さ約56ha「花の街」「緑の里」「水の庭」の3エリアで構成され、国内はもとより世界から約6000品種500万株の草花と8万本の樹木が集合。期間中5回の植え替えが行われ、季節ごとの花景色が楽しめる。
名作「睡蓮」のモチーフとなったフランス・ジウェルニーにあるモネの家と庭園が再現される「花の美術館」。「モネの家」「花の庭」「水の庭」モネの妻が残したレシピに基づく料理を味わえるカフェもある。
江戸時代の園芸家の情熱が創り上げた伝統園芸植物を代表する40種類800品目と、樹齢約800年の真柏・銘「寿雲」を始め、気品あふれる盆栽約300点が次々に公開される「園芸文化館」。
オーストラリアで発見されたジュラ紀から生き続ける奇跡の植物「ジュラシックツリー」が世界にさきがけて日本で初公開されるほか、世界の三大花木(ホウオウボク・ジャカランダ・カエンボク)や「星の王子様」に登場する巨木バオバブ、青いバラなど世界の珍しい植物が展示される。
約3万平方mの敷地に、希少種など国内外の花や珍しい木、約5万品種50万株が展示される国内最大級の植物コレクション「百華園」。
昭和天皇が伊豆須崎の御用邸で採集された標本を中心に学術的な展示がされる「昭和天皇自然館」。
世界的な権威あるコンテストのゴールドメダリストたちが競い合う「ワールドガーデンコンペティション」。
等々ふれあい、遊び、安らぎ。自然と文化のステージがみんなを迎えてくれます。花や緑に関する驚きや感動がたくさん詰まった「浜名湖花博」。好評です。美しい海あり、爽やかな風あり、遠州灘の心地好い潮の香り、そこにたくさんの花が咲きました。水辺を“人の集まる場所”として環境と共生した景観。この地の新しい魅力を発見して下さい。きっと次の世代に素晴らしい贈り物になると確信します。皆様のお越しをお待ちしております。
(静岡県支部)
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緑滴
一 歩 一 景
荒井 一行
日産緑化
東京都立江戸川技術専門校 講師
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先日、数年ぶりに京都を訪れる機会を得た。妙心寺を中心に非公開庭園を中心にお庭を拝見させていただいた。日々の業務もあるので、のんびりという訳にいかなかったが、時間があればゆっくりと廻ってみたいものだ。
また、庭師佐野藤右衛門氏の話も色々と聞くことができた。氏の話を聞くと、「京都でも、現在、新規に創る造園は少なく、相続税の物納の関係もあり造園の解体が多い!」と語っておられた。ここ歴史のある京都でも深刻な問題に直面しているのだなと、つくづく感じた次第である。ただし、氏はかなり元気とお見受けした。
話を花園妙心寺に戻したい。
いろいろ見て廻ると、どこもたいへん綺麗に管理されている。
文化財としてとても大切に扱われていると思う。今でこそ「伝統的な庭」も作庭当初は「個性的な独創的な庭」だったに違いない。
また、その大切な庭の質を保ち、場合によって改善するには、計画的な維持管理の技術が重要だということは、言うまでもない。
同じ文化財でも、公共施設になると必ずしもそうは行かないようである。名所、名園といわれているところでも、低価格競争の入札によって、技術に卓越した業者が落札するとは限らない。そのことにも問題があると個人的には痛感する。
先人が残してくれた大切な文化財を、我々が楽しみ、守り、後世の人たちに確実に引継いで行くことは義務であると思う。
これら文化財を名前だけの名園から、「花園妙心寺」のように人々に感動を与える名園・施設へと目指す必要性は充分にあると思う。
全国のどこの都市部も似たりよったりの景観になってしまった今だからこそ、その地域に根ざした文化財をもっともっと大切にし、「一歩一景」楽しみたいと私は思う。
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女子栄養大香川綾記念
健康と食生活 21
『糖尿病を防ぐために』
生涯学習講師 管理栄養士
勝山 登美子 氏
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糖尿病が非常な勢いで増加中です。みんな一緒だから怖くないと気を大きく持っているととんでもない事態に発展。放置しておけば、いずれ失明や人工透析や足切断に至る‥とても怖い病気です。
よい食事は全ての病気の予防に通ずといいます。動物は生体を守るために、はかり知れない力を備えています。人間も動物です。この “力”を信じることからスタートしましょう。 “体の能力”を活性化させて病気を予防できたらどんなにいいか。それを可能にするのが「栄養力」体質改善の強い味方になります。
特に糖尿病(予備軍)は、食事の効果が最も現れやすいと言われています。正しい栄養の知識を持ち、効果を確実なものにしましょう。
栄養の基本はバランス!です。私達の体の中に入った食物(栄養素)は互いに複雑に影響し合い、その結果▼体をつくる材料になったり▼貯蔵されたり▼体調を整えたり▼エネルギーを放出したり(カロリー)▼排泄されたり… しています。一つの食品や栄養素が単独で働くことはありません。このために栄養のバランスが重要視されるのです。
糖尿病予防(食生活編)ポイント
@標準体重を算定(あるいは20〜25才頃のベスト体重)、これを目標体重とする
A今一度、生活パターンの見直しを
B食事をメモしましょう。♪一歩踏み出すこの勇気〜糖尿病を防ぎます〜♪(手帳でもなんでも結構、食べた物・飲んだ物…口に入った物をすべて。 1日分ではどんな食品が体に入ったのか、つくづくと眺めて下さい)
Cまとめ食い・早食いは食べ過ぎを誘い、糖尿病の思わぬ引き金になります
D食事の型を決めましょう。栄養のバランスを維持しやすくなります(別表)。
E型が身についたら次のステップへ進みます。どれ位食べたらいいのか? 分量は一人一人違います。栄養士と友達になりましょう。
女子栄養大学ホームページ http://www.eiyo.ac.jp
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事務局の動き
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【4月】
3(土)・ AIPH役員来日
5(月)・ 総務委員会(在京)
5(月)・ 「広報日造協」編集会議
5(月)〜7(水)・浜名湖花博開幕展示会審査会
7(水)・ 浜名湖花博(都市緑化フェア)開会式・レセプション
8(木)・ 浜名湖花博開幕展示会表彰式
12(月)・ 緑のデザイン賞表彰式
14(水)・ 全国都市計画主管課長会議
16(金)・ 第46回日本公園緑地全国大会及び第20回IFPRA世界大会組織委員会第4回理事会
19(月)・ 全国都市公園・緑化
・緑地保全主管課長会議
20(火)・ 佐藤国際交流賞選考委員会
21(水)・ 国際都市交流推進協議会
21(水)・ まちづくり月間実行委員会総会
21(水)・ 総務委員会(在京)
22(木)・ 愛知万博協会財務委員会
23(金)・ 大阪府支部総会
24(土)・ 「みどりの愛護」の集い
【5月】
7(金)・ 「広報日造協」編集会議
7(金)・ 兵庫県支部総会
11(火)・ 総務委員会(在京)
13(木)・ 事業委員会(在京)
19(水)・ 総務委員会
20(木)・ 四国総支部総会
20(木)・ 技術委員会(全国)
21(金)〜22(土)・浜名湖花博屋外クラス展示会審査会
23(日)・ 浜名湖花博屋外クラス展示会表彰式
25(火)・ 会計監査(15年度)
26(水)〜28(金)・エコ・グリーンテック2004
27(木)・ 総支部長・支部長合同会議
27(木)・ 理事会
28(金)・ 全国都市緑化フェア現地視察
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3面 |
【ふるさと自慢】第43回
沖縄 琉球王国の
グスク及び関連遺産群
日本で11番目の世界遺産に登録された琉球王国のグスク及び関連遺産群の1つ「首里城」
識名園
玉陵
斎場御嶽
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2000年11月27日から12月2日の第24回世界遺産委員会会議の場で、人類共有の文化遺産として普遍的価値が認められ、9つの城跡ならびに遺構が「琉球王国のグスク(城)及び関連遺産群」として日本国で11番目の世界遺産に登録されました。
登録された遺産群は、琉球国王の居城であった首里(しゅり)城跡ほか、勝連(かつれん)城跡、座喜味(ざきみ)城跡、今帰仁(なきじん)城跡、中城(なかぐすく)城跡などのグスク(城)群並びに、琉球国の祭祀の拠点であった斎場御嶽(せいふぁうたき)と園比屋武御嶽(そのひゃんうたき)石門並びに、王家別邸として使われた識名園(しちなうどぅん)、そして第二尚氏王統の墓陵である玉陵(たまうどぅん)などです。
これら遺産群は、統一琉球王国が、北山、中山、南山に分かれて覇権を競っていた14世紀末から、中山王尚巴志が統一王朝を樹立し大交易時代、隆盛を極めた18世紀末の間に造られました。
グスクの建造された背景には、12世紀前後の頃、按司(あじ)と呼ばれる豪族が各地に勃興し、覇権争いを行うなかで堅牢な城と砦を持つことがどうしても必要となったことが挙げられます。
その覇権争いの中で14世紀には北山、中山、南山の三大勢力に集約され、さらに15世紀に入ると、その中の中山王尚巴志が琉球統一を治め、首里城を王城として定め、以降450年にわたる琉球王国時代が確立されたと文献には示されています。
この首里城は、標高120m〜130mの丘陵地に建てられており、優れた眺望と豊富な湧き水を有する地勢、軍事両面に優れた城でした。
創建された年度は不明ですが、先に述べたように13世紀末から14世紀のグスク群建造期に建立されたものと推定されており、現在再建されようとしている規模になったのは、王城となった1429年ごろから16世紀半ばに掛けて徐々に増築されたものと考えられています。
つぎに勝連城は、世界遺産に登録されたグスク群の中では最も古く12〜13世紀に掛けて創建されたものと考えられており、10代城主の阿麻和利(あまわり)のころに最盛期を迎えますが、その隆盛を恐れた琉球王府軍により、1458年に滅ぼされてしまいます。
今帰仁城は、創建年は不明ですが、13世紀〜14世紀ごろと推定されております。天然の地形を用いた北の巨城で、今も残る曲線の美しい城壁は1500mにも及び、第三代北山城主攀安知(はんあち)のときに中山王尚巴志に滅ぼされてしまいました。
座喜味城は、三山統一の殊勲者である護佐丸(ごさまる)によって1420年ごろに築城された城で、切り石積の城壁と沖縄最大のアーチ型石造門が残り、地盤の悪い立地条件にあわせて曲線を多用し壊れにくい工夫をして建設されております。
中城城は、勝連城主である阿麻和利を牽制するために、座喜味城主であった護佐丸に既存の城であった中城城を増改築して現存(城壁のみ)の状況になったようです。
つぎに、御嶽について説明します。御嶽とは、沖縄独特の信仰の対象となる聖地のことを表します。そこには祖霊神や琉球の自然観に基づく神が祀られており、森や巨岩、巨木などを中心に周囲を石積みで囲った拝所とする形態や、グスクの内外に拝所を設ける形態などがあり、これは現在でも同じ形で残っているものが多くあります。
その代表的なものが斎場御嶽です。琉球第一の聖地で、琉球の始祖アマミキヨが造った国始めの七御嶽のひとつであり、そのアマミキヨが降臨した島として、神の島と呼ばれる久高島を遥拝する御通しの御嶽として、琉球王府の最高の女神
・聞得大君(きこえおおきみ)の即位式もこの地で行われました。琉球王府の信仰面、精神面を支える国家的な祭祀の場として、最も重要な役割を果たしました。
また、グスクに付随する御嶽として園比屋御嶽石門が首里城の守礼門後方にあります。ここは、国王が城を出る場合や、御嶽巡礼を行う場合に1番目に立ち寄る御嶽でした。
その他に、玉陵は、クーデターにより覇権を奪取した第二尚氏王朝の陵墓で、1501年に建築された。
最後に、識名園は琉球王家最大の別邸であると同時に、中国皇帝の使者である冊封使の接待などを行った外交的役割の大きな場所で、東西に細い琉球にあって丘陵地でありながら海を臨むことのできない場所にあり、中国からの使者に琉球の領地を大きく感じさせる役目を果たしました。造りとしても、回遊式庭園様式をとり、中国風東屋、六角堂や大小のアーチ門が池の小島に見事に配置され琉球独自の庭園様式を表す貴重な事例となっています。
以上のように琉球王朝期に築造された、これら9つの世界遺産群は、琉球のもっとも隆盛なりし頃の歴史や文化を知る貴重な資料であるばかりか、沖縄県民の精神的支柱としても大きな役割を果たしてきました。
現在では観光資源として重要な役割も担っております。
(沖縄県支部)
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指定管理者導入へ
東京都が初の募集
全国的に高い関心
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東京都は、都立公園で初めてとなる指定管理者を「都立小山内裏公園」(約46ha)を対象に募集した。指定管理者制度は、地方自治法の改正をはじめ、事業の効率化などから導入が進められようとしているもの。業界の関心もきわめて高く、4月7日の現地説明会には民間事業者やNPO法人など47団体が参加した。5月初旬には管理者を内定するとしている。
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【麹町箱】 しぶだより
これまでにない連携を進める
熊本県支部総務委員 福田 透
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環境の世紀ともいわれる21世紀にあって、これからの熊本県下の造園緑化は、「環境」の視点と地域の人々とのパートナーシップによる取り組みが求められています。
このような背景において、造園緑化業界は、長年にわたり蓄積された樹木、植物、緑化の知識と技術に基づき、環境づくりのプロフェッショナルとしての認知と事業拡大を図るべく、これまでにない他の造園緑化関連団体との連携によるプロジェクトチーム「みどり未来」を設置しました。
その組織構成として、まず、運営委員会を設け、各団体の理事等で構成し、プロジェクトチームへの附託、アドバイス、指導を行います。
次に3つのワーキング部会があります。
@みどり事業ワーキング部会は、地域住民の要求や環境行政に対応するため、公共機関とも連携し、各分科会の成果を利用して、主に今後のみどり事業の拡大と実現策について検討する。
Aみどり文化ワーキング部会は、地域の自然、環境、地形、地域特性、歴史文化等を把握し、主に新たなみどりの文化の創出について検討する。
Bみどり機能ワーキング部会は、みどりの有する機能、効果、地域における問題等を把握し、その地域にふさわしい環境整備を図るための、基礎研究、調査、データ収集を行い、主に最適な環境をつくるための、みどりの機能について検討する。
以上のように、本県にとって不可欠な環境産業として認知されるとともに、事業の拡大及び社会貢献を目的として、熊本県の環境立県の支援という視点に立ち、一貫性と持続性のある、専門的な立場からの調査、研究、計画、提案及び事業化への企画、提言を、現在、各ワーキング部会がそれぞれの課題に取り組んでいます。
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4面 |
【総・支部だより】
剪定リサイクル試験実施
再活用への試験調査推進
山形県支部
山形の霞城の桜
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東北地方にも遅い春が到来し、ソメイヨシノの枝越しに山々の残雪を見るとき、冬の重石が取れて大きな伸びをしたいような気分になるのは、雪深い地方に住んでいる方はどなたも同じではないでしょうか。
さて、遅い春を迎えた山形県支部からは、剪定枝リサイクル試験と山形を少しご紹介したいと思います。
当支部では、4年前より剪定枝の再活用を進めるための試験調査を行っております。初年度は、自主的な研究のかたちでスタートし、都内の先進施設の調査視察や隣県宮城県支部の調査研究結果をご教授いただきました。2年目より山形市公園緑地課より業務委託費をいただき、業界内における剪定枝の処理実態調査と、剪定枝の破砕作業とチップマルチング試験や堆肥化試験等の実地検証調査を行い、堆肥化まで経過時間と量的変化等の調査資料をまとめました。
3年目は、チップマルチングの効果と堆肥化までのスピードアップ及び高品質保持について、さらに成果品としての堆肥の植物への影響評価をまとめました。4年目の昨年度は、整備途中の公園敷地内に剪定枝チップと製紙用針葉樹チップの比較マルチングを行い、経過状況を今年度調査研究中であります。
この4年間で私たち支部会員は、剪定枝の処理方法について焼却処理以外に多様な再活用方法があることを知り、私たちの職業上今までのような焼却処理よりも環境に優しく、かつ植物生育や雑草の抑制等多くの利活用を学ぶことができ、さらに今後実用化に向け試験研究を進めていきたいと思うところであります。
ここで少し山形をご紹介したいと思います。この写真は、史跡公園山形城(霞城)の南大手門周囲のソメイヨシノです。東北には、桜の名所が多くありますが山形の霞城の桜も毎年見事で満開の時はお堀に浮き舞台を掛け演舞も行われます。山形の桜もまもなく葉桜に変わろうとしておりますが、桜の花が終わりますと、リンゴ・サクランボ・ナシなど果物の花が咲き始めます。これも山並みの残雪をバックに景色はなかなか捨て難いものがあります。
山形県は、南国産の果物を除いてサクランボのほかリンゴ・ナシ・モモ・ブドウから柿まで生産量は全国でも上位にあるのをご存知でしょうか。山形県では、本年おいしい山形キャンペーンを繰り広げております。山形産のお米は先日の新聞では、味覚で魚沼産と同等品以上とでておりました。
また、先ほどご紹介したとおりサクランボを初めとして果物も豊富で、季節になると他県より多くの方が果物狩りを楽しんで行かれます。国産牛のブランド山形牛も大変美味しゅうございます。春から冬まで1年を通して美味しい山形を賞味していただけます。東北にお出での際には、ぜひ山形にお立ち寄りください。
(山形県支部総務委員 志村 高秀)
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関西に巨大屋上庭園出現
なんばパークス100年の杜に
近畿総支部
パークスガーデン |
「なんば」大阪ミナミの中心にある街は、明治18年(1885年)に南海電気鉄道のなんば駅が開業し、更に関西最大の百貨店となる高島屋本店(当時は高島屋呉服店)の大型化などから我が国有数の都市として発展して来ました。
その後、若者の街といわれる「なんば」はアメリカ村など一部に賑わいはあるものの全体的な地域経済の活性化には起爆剤が必要でした。
そこで、なんば駅に隣接する形でホークスファンにはご存知の旧南海ホークスのホーム球場でありました大阪球場跡地(3・7ha)に「難波再開発A―1地区開発」を進め、関西国際空港とのアクセスの良さを利用し、世界に開かれた玄関口として平成15年10月7日、人と自然がやさしくふれあえる環境「未来都市なにわ新都」が既存南海ターミナルビル(30ha)と合わせ延べ床面積約100万uの街を作り、そして高次元都市機能の集積を図り21世紀大阪の「なんばパークス」で3・7haの広さで、オフィス・ショッピング・レストランそして屋上庭園などこれまでになかった「なんば」のリーディングプロジェクトが発進しました。
屋上公園は憩う・楽しむ・働く・学ぶ・創る、つまり人間が主役の複合緑化都市開発です。感動を演出する街づくりに卓越した実績を有する世界的建築家ジョン・ジャーディ氏が街づくりデザインに参画し緑・水・光を印象的に取り入れた空間演出に峡谷をイメージさせる造形を見ることができます。
緑化は235種、約4万株の緑で包まれた段丘状に広がる1万uの屋上公園「パークスガーデン」が50年、100年先のなにわの『杜』となるわけです。
会員の皆さまも大阪にお立ち寄りの際は、「なんばパークス」をご覧いただき造園緑化技術と伝統が融和した造形をご覧いただければ幸いです。
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フラワーインしまね開催
花と緑の祭典が盛大に
島根県支部
フラワーインしまねのもよう
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島根県の花卉生産者の意欲高揚、技術の向上と消費の拡大を図り、県内の「花と緑に県民の関心を向けるとともに、生産者に対し市場求評および情報交換等を行い、メイン装飾などを実施し、消費者から生産物およびアレジメントに対して直接評価を受け消費動向などを調査、研究する」と言う趣旨のもとに島根県から協力依頼があり、支部において協議の結果、若干の異論もあったがガーデニングブームなどの風潮も考慮して「造園界も花に関心を持つべし」との結論に達し、島根県民が広く参加できるイベントとすることから、参画することに決まった。
主催者は「島根県の花振興協議会」、構成は島根県を始めとして、関連11団体、後援はマスコミ関係、県内有力企業などで発足された。
本支部は主としてメイン装飾を担当、会場設営の進行上作庭は深夜に及ぶこともあった。
第1回の開催は平成3年11月初旬、会場は県中央部の出雲市(出雲大社に隣接)であり、催しの内容を紹介すると、島根の花コーナー・島根花品評会展示会・鉢物展示・フラワーアレジメント展示および講習会・コンテナガーデン教室・切り花・鉢物販売およびオークション・室内外造園展示・花の種子のプレゼント等、第6回からは東部、西部2会場に同時展開となり、協力団体も6団体増加し、活況を呈するようになった。
余談になりますが、島根の県都松江市では一世帯当たり切り花の年間購入額が平成13年の統計では全国第五位の位置を示していた、その素地となる若干の歴史めいたものを側聞するところによると、七代出雲藩主松平不味公という風流な殿様の影響を受け、茶道・華道が盛んであったと言われた、出雲地方の「花と緑の文化」はそこらあたりから生まれたものかと思われる。
ちなみに我が島根にも「しまね花の郷」が出雲市に4月24日にオープンいたしました。「花と緑の文化」が開花します。
出雲地方にご来遊の節は是非ご鑑賞いただきたいものだとご案内いたします。
当支部のささやかなボランティア活動がしまねの花と緑に少しでも貢献すれば会員一同望外の喜びです。
(島根県支部) |
フラワードーム2004開催
「あいち花フェスタ」が好評
中部総支部
フラワードーム2004 会場のようす
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今年も好評の内に幕を下ろした、「フラワードーム2004」。
この国内最大級の花あふれるイベントにおいて、魅力ある会場づくりのシンボルとなる巨大な空間の演出の提案をさせていただきました。
まず、会場の設備であるセンターリングと呼ばれる、高さが自由に設定できる巨大な装置を利用すること、そして、「天空の花園」というテーマを最大限に表現することから始まりました。
その結果、地上20mの高さから、立体的な直方体のキャンパスを吊るし、花をデフォルメしたインパクトのあるイラストを描くことで、会場内に入場した瞬間から目に飛び込んでくる印象的なオブジェを考えました。
中層部には、カトレアやオンシジュームといった彩りも鮮やかなランの鉢花、そして、見る人々の目線に一番近い地上部では、愛知県が誇る切花や鉢花で春を感じさせる、明るい華やかな空間づくりに努めました。
今後もこのようなイベントをきっかけに、人と植物のよりよい関係が育まれることを期待します。
中部総支部は愛知万博を始めいろんなイベントに協力し、当協会のイメージアップを図っていきたいと思っています。 |