環境省の平成16年度自然公園等事業関係予算概算要求は国費161億円で対前年度は12・8%増となっている。その目的と事業概要は次のとおり。
1. 目的
政府の重要課題である「自然と共生する社会」の実現のため、国立公園等において、自然環境の保全や消失・変容した自然生態系の再生を図るとともに、自然との多様なふれあいを求める国民のニーズに対応するため、地球温暖化防止の視点を重視しつつ、自然との豊かなふれあいの場の整備を行う。
2. 事業の概要
(1) 自然生態系の保全・再生
@各省連携、市民参加により、湿原・干潟・藻場・里山等の失われた自然を再生するための整備を推進。(例:釧路湿原自然再生事業)
A利用集中等による荒廃の防止、荒廃した高山植物群落等の保全・修復のための整備を推進。(例:日本百名山登山歩道整備事業)
(2) 環境教育・環境学習の場としての利用
都市と農山漁村の共生と対流を促進するため、各地域の自然環境の特性を活かした環境教育・環境学習を展開する場として必要な拠点施設やフィールドの整備を推進。(例:満越ふれあい自然塾整備事業)
(3) 地球温暖化防止に資する自然公園整備
施設周辺地等への緑化、自然エネルギーを利用した整備、木材を極力利用した整備などを積極的に実施。(例:環境共生推進特別整備事業)
(4) 自然環境の適正な利用の推進
国立公園の魅力を確立するため、自然環境の持続的、かつ安全で快適な利用がなされるよう、利用拠点や探勝歩道等への整備を実施。(例:洞爺湖地域新活性化事業、北海道自然歩道)
(5) 快適な利用環境の提供
自然公園等への来訪者に安全で快適な利用環境を提供するため、各種施設の管理水準の向上を図るとともに、これら施設を含めた園地等の面的な管理を積極的に推進。
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