現代社会において『花や緑』は、人々の心を潤し、癒し、自然や環境を象徴するものとして親しまれています。また『花や緑』を通じた人々のコミュニケーションや情報、文化の交流活動は、園芸やガーデニングなど花や緑に対する関心の高まリとともに、花や緑をテーマとした地域おこしのイベントやフラワーツーリズムなどの花や緑を観光資源とした経済活動にまで広がり、市民参加型のまちづくりに取り組む自治体も増えています。
こうした市民参加の美しいまちづくりが『花と緑』をテーマとして日本全国に広がりつつある現在、その取り組みに参加したい市民も多く存在しています。しかし行政にその受け皿が無かったり、花や緑のまちづくりと言う視点が無い自治体もまだまだ多いのが実情です。
現在、日本全国に、3200余りの自治体があり、約6万人の議員が活躍しています。その中には、コツコツと草の根運動的な活動をしている議員も多いことと思います。しかし、花や緑の専門分野になると、その道に詳しい議員ばかりではありません。園芸の知識・技術はもちろん、市民との連携、行政との協力、企画立案、実行等のさまざまな問題があります。
これらの問題には、個々の地域に関するものだけではなく、市民参加や花と緑の専門分野に関した全国で共通した問題も多いと思われます。そこで、こうした問題を解決して行く一つのツールとして、花と緑のまちづくりにかかわる情報を取りまとめ、花と緑のまちづくりを地域で展開するためのノウハウをネットワーク化する必要があると考えました。
このネットワークでは、『市民参加型の花や緑』に興味を持つ地方議会議員の情報交換の場や技術や知識の会得、連携ができる体制づくりを行い、地域の特徴を生かした美しい花と緑のまちづくりを日本全国で展開することを目的とし、この度、その基盤となる『花と緑の市町村議会議員連盟』の設立準備会を設立いたしたいと考えています。
さて、一口に花や緑といっても、その楽しみ方、活用の仕方はさまざまです。私たち議員が取り組む花や緑は公共のものであり、日本造園建設業協会の会員の方々や本紙を読まれる行政関係者の方々においても、お仕事として公共の花や緑がどうあるべきかについて取り組まれていることと思います。
公共の花や緑は個人で楽しむものと異なり、予算の問題や市民の理解を得るためのデザインをはじめ、その取り組み方にもさまざまな配慮が必要とされます。枯れたからすぐ買い直す、やめてしまうということにはなりませんし、気に入らないからと植え替えるわけにも参りません。
美しい花や緑をつくり、保つためには、計画から施工、管理にいたるまで、さまざまな専門家の知識、技術、そして豊富な経験が必要です。また、余暇時間の増大や社会貢献の意識の高まりなどによる市民の方々の協力も欠かせません。専門家の方々、市民の方々の熱意はすでに成熟期にあると言え、今後はこれらの技術と知識、熱意を生かす自治体の仕組みづくり、私たち議員が政策に生かし、行政が円滑に実施することが求められていると言えます。
美しい花と緑の街は、より多くの方々の協力があってこそ成り立つものです。専門的な技術を発揮していただき、日本造園建設業協会の会員の方々には、施工や管理、さらには計画における助言などのご協力をいただくなど、企業、市民、議員、行政それぞれが持てる力を発揮し、花と緑の裾野を広げていくことが、、美しい花と緑の街づくりに欠かせません。
来春には浜名湖花博が開催されますが、『花と緑の市町村議会議員連盟』はこれに合わせて正式発足を予定しています。花博はAIPHの認可のもと開催され、このAIPHに日本を代表して加盟しているのが日本造園建設業協会であり、その存在の意義を改めて痛感しています。
『花と緑の市町村議会議員連盟』は今月に準備会を発足させ、準備を進めてまいります。関係各位のご理解とご協力をこの場を借りてお願い申し上げます。
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