広報 日造協 2005年6月10日 第375号 |
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通常総会議案など審議
平成17年度優秀施工者国土交通大臣顕彰 「日本の景観を良くする国民大会」開催
樹林愛・地球博とこれからのまちづくり 瀬戸市長 増岡 錦也
平成17年度通常総会 東京・赤坂で6月23日 |
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「造園CPD」単位取得の実際(後 編) (社)日本造園建設業協会 技術調査部長 野村 徹郎 |
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長崎支部
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【総・支部だより】 ありがとう「浜名湖花博」から学んだこと 静岡県支部 事務局長 西島 弘一郎 「評点アップ対策」へ経理処理セミナー開催 山口県支部 カナダの回遊式庭園(ブッチャートガーデン) 内山緑地建設梶@伊東伴尾
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通常総会議案など審議
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平成17年度第一回理事会は、6月2日(木)弘済会館 菊の間で開催。議事では5議案を審議、承認した。 冒頭、成家次男当協会会長があいさつ、次いで、高梨雅明国土交通省 都市・地域整備局公園緑地課長から来賓のごあいさつをいただいた。 あいさつで成家会長は「景観緑三法の本格的実施に向け、緑豊かな美しい都市づくり国づくりに積極的に取り組んでいきたい。また、公共事業の品質確保法の施行により技術提案型の入札契約の改善を踏まえた造園工事施工体制の強化を図り、事業の確保と良質な工事の推進に努めてまいりたい」と述べた。 議事では、平成17年度通常総会議案、役員の補充選任、会員の入退会など、5議案について審議、承認された。 |
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平成17年度優秀施工者
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建設産業の第一線で「ものづくり」に直接従事する方々に誇りと意欲を持っていただくとともに、これらの方々を国民に知っていただき、その社会的地位・評価の向上を図ることを目的に、特に優秀な技能・技術を持ち、後進の指導・育成等に多大な貢献をしている建設技能者を対象に行われる優秀施工者国土交通大臣顕彰(建設マスター)において、平成17年度の「造園工」には当協会から17名が受彰した。 顕彰式は5月31日、東京・港区のメルパルクホールで午後3時から開催され、審査委員、国土交通省幹部紹介の後、顕彰状授与が行われた。 その後、国土交通大臣があいさつ。優秀施工者国土交通大臣顕彰審査委員会のマリ・クリスティーヌ委員の祝辞と講評が行われ、壺井幸次郎氏が受彰者を代表しての謝辞を述べ、閉会した。 なお、当協会員の受彰者は以下の通り。(発表順) 小倉誠一氏(鰹繧フ島・岩手県盛岡市)、佐々木久信氏(滑竦エ水園芸・岩手県筑紫郡矢巾町)、若木巧一氏(樺西総合ガーデン・神戸市北区)、山西清氏(轄L田造園・広島市西区)、國部秀樹氏(株n原造園建設・宮崎県宮崎市)、岡崎一成氏(拠C巳園・鳥取県倉吉市)、近森日出明氏(潟香[ドグリーンズ・高知県高知市)、吉本清則氏(吉本緑地建設梶E香川県丸亀市)、楠春夫氏(藤木園緑化土木梶E千葉県習志野市)、加納隆氏(蒲ァ山農園・富山県富山市)、福田一範氏(拒蜻コ造園・福井県福井市)、高林孝次氏(みどり園梶E静岡県浜松市)、岩田俊郎氏(昭和造園土木梶E岐阜県岐阜市)、木村喜昭氏(花文造園土木梶E滋賀県東近江市)、土肥利則氏(蒲L斐園・広島市安佐北区)、森国広氏(且R地緑化センター・香川県高松市)、桂教男氏(葛繽B緑化建設・北九州市八幡西区) |
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「日本の景観を良くする国民大会」開催景観緑三法施行に合わせて実施 |
日本の景観を良くする国民大会が6月1日、景観緑三法(「景観法」及び緑地・屋外広告関係)の施行に伴ない、東京・日比谷公会堂で行われた。 大会では、奥田碩同大会実行委員会会長があいさつ。来賓を代表して、小泉純一郎内閣総理大臣が祝辞を述べ、関連省庁の大臣、副大臣、政務官をはじめ、多数の国会議員など来賓を紹介。その後、伊藤滋早稲田大学特命教授が「生活と景観」と題して基調講演。管理状況の悪い写真を例示するなど、街路樹の適切な管理の必要性などについて述べた。その後、「わがまち、わがむらを美しく」をテーマにパネルディスカッションが行われ、最後に美しい景観づくりを進めようと、大会決議を採択した。 |
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樹林愛・地球博とこれからのまちづくり 瀬戸市長 増岡 錦也
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瀬戸市は、面積111平方キロメートル。 周囲三方を標高100m〜300mの小高い山々に囲まれております。 南は現在、博覧会が開催されております海上地域、東側には愛知高原国定公園に指定されている雲興寺や岩屋堂、そして、北側には定光寺があり、四季折々に風情を見せ、多くの人々に愛されております。 瀬戸は、このように緑豊かで、ゆえに水に恵まれ、さらにご存知の通り1300年にわたる焼き物をつくってきた歴史が示すように、瀬戸物の素材となる土に恵まれ、まさに、大きな自然の恵みに生かされてきたまちです。 緑にはさまざまな価値がありますが、瀬戸の緑は、陶器を焼成するための薪として、とても重要な役割を果たし、陶器をつくるために最適な環境を求めながら、陶工たちがつくってきたのが瀬戸の街です。 しかし、1300年という歴史があり、瀬戸物という誰でも知っている陶器の産地でありながらまち自体はなかなか皆さんに知られることはなく、瀬戸に住む私たち自身、これまでその価値に気がつきませんでした。 それが平成2年に博覧会会場の誘致を機に、瀬戸の遺産、遺跡を見直してみようという考えが市民から沸き起こり、街づくりにつなげていこうと盛り上がってきました。 瀬戸市は中心市街地に瀬戸川が流れ、南に山口川、水野川があり、山を背に川を境に、それぞれの地域が市町村合併によって一つになりました。こうした地理的条件もあり、川と緑を軸としたまちづくりを進めております。 そして、市街地においても、水と緑と瀬戸の文化拠点となるものを拾い出し、これらの点を結んで線にしようと、「陶の路」とし、線ができたことで、面としての広がりがみえ、これをフィールドミュージアムとしました。しかし、これだけでは市の一部分に過ぎず、「まるっとミュージアム」として、この考えを市域全域に広げ、再開発構想の機軸に据えてまちづくりを進めています。 近年、観光立国を政府が推進し、市街地の再開発が進められ、さらに景観緑三法を踏まえて、景観に配慮し、温暖化の防止に役立つ緑を取り入れ、市民が積極的に参加するまちづくりが日本全国で展開されようとしています。 瀬戸市も、まち全体をミュージアムとして、新たにつくりあげる意気込みで、市の玄関口となる尾張瀬戸駅前に「パルティせと」という市民の交流の拠点を2月19日にオープン、機能し始めました。また、産業交流の拠点としての「瀬戸蔵」も市内外の方に活用していただいており、さらにまち全体を回遊し、堪能してもらえるよう花や緑と文化の拠点を生かした整備を進めています。 いずれの地域に住んでいても、実際に住んでいる市域住民の方々は、なかなかその場所の良さ、あるいはどうやって訪れた人たちに満足してもらえるかということを普段の生活の中で考えることはありません。 幸い瀬戸市は、そうした地域の宝を「愛・地球博」の会場という機会を得て、見直すことができました。まだまだ、これからの部分もありますが、博覧会とともにまちづくりのひとつのあり方として、瀬戸の新しい街の姿をごらんいただければ幸いです。皆様のお越しを心からお待ちしています。 |
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平成17年度通常総会 東京・赤坂で6月23日 |
平成17年度 通常総会を6月23日(木)、東京都千代田区紀尾井町1−12 の赤坂プリンスホテル五色1階・新緑にて開催します。 会員多数のご出席をお待ちしています。 |
「造園CPD」単位取得の実際(後 編) (社)日本造園建設業協会 技術調査部長 野村 徹郎 |
造園CPD(継続教育)が昨年からスタートし、今年から本格実施、そして磁気カードを使ったCPD単位の記録登録も5月開催の造園学会全国大会で初めて実施された。 |
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長崎支部
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日造協長崎県支部は、「効率的な除草技術及び雑草の繁茂を防止する技術」について調査を実施。先ごろ報告書として取りまとめた。 調査では、雑草の生態と原因から、雑草の繁茂を防止・抑制する手法を考え、フィールド試験を行った。
雑草の生態と原因
種子繁茂雑草は、秋から春、春から秋へと10カ月程度で根部まで枯れる。また、地表に落ちるとすぐに発芽する種類もあるが、その年には一部しか発芽せず、残りは数年にわたって発芽。地表より1pまでの層がもっともよく発芽する。 根茎繁殖雑草は茎や葉はいったん枯れるが、根は生きていて時期になると根から芽を出す。 こうした種子、根茎が混在するため、近辺からの飛来など、抜根除草のみで取り除くことは不可能。
雑草防止・抑止の手法
雑草防止・抑止の手法として、 @植物による手法(ツタ類を含む地被植物やツツジ類) A防草シートによる手法(ポリプロピレン織布(表面)、ポリエステル不織布(裏面)の2枚組み合わせの製品) B防草シートと植栽の併用による手法(中央分離帯や路肩部分など人目につくところでの利用価値がある) C緑化マットによる手法(天然繊維マット、合成繊維マット、硬質植栽樹保護板(特殊防腐処理完全耐水合板)) D樹皮製マルチングによる手法 E稲藁、麦藁による手法 Fマサ土防草硬化による手法 G玉砂利、砕石、砂による手法 ――について調査した。 この結果、@BFの手法について、今後に役立つ結果が得られたため、フィールド試験を含め、報告書に取りまとめた。
植物による手法
植物による手法は、地面(裸地)を被う「地被類(グランドカバー)」の利用であり、サツキ類のように下木、下草類の群植もあり、具体的に地被類に丈が何p以下との決まりもないため、ここでは @丈の低いもの A地面に密着して成長する B刈り込みに耐える C繁殖力が強い D常緑(木本)か多年草(草本)であるものとした。 シバザクラのフィールド試験は、3月に植栽し、5、7、9、10月の年4回の除草を行い、灌水は適度な降雨があったため必要としなかった。成長は良好で、雑草は少量しか見られなかった。(写真3施工前、4施工直後、5施工後2年経過、6施工後2年経過) ハイビャクシンのフィールド試験は、植栽前に抜根除草、土壌改良後の3月に植栽、6月に抜根除草を行った。適度な降雨の後の晴天で雑草が繁茂し、ハイビャクシンを覆い、日照不足と自動車の排気ガス、暑さにより、枯死が目立ち、50%から60%の枯死率となっている。(写真1施工後、2施工後5カ月経過50%程度雑草により枯死) 枯死の原因は除草時期の遅れと植栽箇所、樹種の選定の関係が考えられる。 今後の課題として、植栽箇所において、以前は年間3回の抜根除草が行われていたが、経費縮減のため2回となっており、根茎繁殖雑草が増加していたと思われる。このため、植栽を被覆させるために最初の1、2年は年4、5回の抜根除草が必要。経費は掛かるが効果は顕著である。 このため、植物(グランドカバー)による手法においては、植栽場所、種類、u当たりの植栽本数、植栽後の管理計画の検討が必要で、除草回数の軽減に、防草シートを併用した方法がもっとも効果的といえる。
防草シートと植栽の併用による手法
防草シートは植生的な雑草抑止として、シート下の雑草抑止、種子の飛来による雑草抑止を果たす。前者は、シートによる遮光で、盛夏の10万ルクスを99・6%以上遮光し、光合成に必要とされる400ルクス以上にならないよう遮光し、光合成を阻止、雑草の成長を抑止する。 後者は飛来した種子に水分を与えないことで発芽を防ぐ。このため、シートは透水性で、表面上に水分を保たない構造とすることで、種子はシート上で枯死する。防草シートにはこの2つの機能が求められ、さらに踏圧などの耐久性と、地面との馴染み、経済性が要求される。 利用に当たっては、@雑草の繁茂を相当期間にわたり抑制できる A地表面をシートが覆うため、植栽本数が少なくて済む B初期投資が必要だが除草など、以降の経費節減が見込める C中央分離帯等の裸地部分での利用に効果が認められる D交通の頻繁な道路や商店街や都心等、作業の安全や周囲への影響があり、維持管理が無視できない地域で施工価値が高い E乾燥防止効果があるため、植物の生育が良好 F全面施工地では雑草の発生はほとんど見られない――といった利点を持つ。(写真7防草シート施工直後、8施工後8週経過) 一方、@コストが掛かるAチガヤ、ススキ、ササ等の地下茎が残っている場合に発生 B縁石部分などで発芽防止の工夫が必要 C宿根系の匍匐枝による繁茂植物と低木以外の球根、一年草、地下茎等の繁茂形態植物は、次世代の更新ができず永年使用ができない Dタバコの投げ捨て等により、溶融し、穴が開いて雑草が発生する――点には注意が必要である。 こうした長所と短所については、改良も加えられ、ポット苗を植栽する植え穴や縁石との隙間からの雑草発生について、遮光シーリングなどで解決のめども立っている。 こうしたことから、植物とシートの併用においては、施工前に除草剤を散布して被覆すると好効果が得られ、初期コストは掛かるが、年間ベースで経費の節減につながり、軽作業員の確保を考えた場合にも作業軽減は効果があるといえる。
マサ土防草硬化による手法
マサ土と石灰石砕砂の混合土に固化剤を一定の割合で混合した混合剤を施工場所に布設し、転圧、水散布により、マサ土を固化させ、施工部の保護及び除草を図るものである。 場所により3pから10p厚の布設による通気性、透水性のある自然舗装で、最近、中央分離帯や自転車道、園路等に使用されている。(写真9施工前、10施工後) なお、この調査報告書についてのご意見、お問い合わせは、長崎県支部にご連絡下さい。(長崎県支部) |
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【麹町箱】 長野の造園業界について 長野県支部事務局長 滝沢 信男 |
県下の造園業界の特徴を書いて、全国の皆さんのお知恵をお借りしたい。 まず第一は、本県には、大きな造園会社がないのが大きな特徴である。 支部会員の売上げを見ると年間売上げ10億以上の会社は1社しかない。 第二は業者数が多いのが本県の特徴ではないか。 長野県に造園工事の入札参加願いを提出した業者は400業者もあり、確か県内には700数社の造園業者が存在する(県知事が許可した造園業者は何社あるのか県に照会したが、即座にはわからないとのことであった。県の関心の薄さが推測される)。 ところで、この造園業者は約250社が日本造園組合連合会に加入しており、日造協への加入者は24社、県造園建設業協会加入者は93社である。日造協と県造協はダブって加入しているので、組織加入者は概ね350社であり、組織率は概ね50%である。何の組織にも未加入で、県に入札参加願いを提出している会社は50〜60社ということになりそうである。 組織率が高いかどうかは、他県の皆様の御意見を聞かないと判断できない。 さて、これだけの業者がいるのに、県から発注される造園工事は年間20件程度であるとのことであった。 千葉県の「ちばの緑」という会報によると県関係機関からの造園工事の発注件数は、過去十年間を平均すると一年間に工事が平均171件、維持管理152件合計323件とのことである。いかに長野県においては造園工事の発注が少ないかがお分かりになるだろう。このように、業者数は多いが県発注が極めて少ないというのも本県の大きな第三の特徴といえる。 何故こんなに造園工事が少ないのであろうか? 周りに山があり、緑豊かであり、街の中の緑に県民も行政も無関心だからと良く言われる。確かに周りの山は緑豊かである。しかし、ある研究者の発表によれば、駅を中心とした10キロ四方の面積中の植生量(緑被率)は、長野市が52%なのに対して、高崎68%、前橋74%、八王子67%、宇都宮50%であり、長野市は街中の緑が少ない代表的都市であることがわかる。まわりの山に緑があるから良いなどとは言っていられないのに、行政職員も県民も感覚で判断して結論が間違っていることになる。 もう一つ、冬に約3ヶ月ほど雪に閉ざされることから、造園業という業が育ちにくく、小さい業者が多く、従って行政自身が腰をあげないのではないかという説もある。 更にもう一つ、全国の都市を見ると城下町は街に庭園や緑が多く、門前町には殺風景なところが多い気がする。これは、戦後、宗教に行政がかかわってはいけないことになり、門前町では街並みづくりが寺や神社に任せられて行政が深く関与せず、緑づくりなどに配慮が欠けてきたからではないだろうか? 長野市は、県庁所在都市であるばかりでなく、年間630万人が訪れる善光寺をかかえる一大観光都市である。しかし、街づくりなどに配慮されず、その結果長野市が緑が少ない町になってしまったのではないだろうか? 小さな業者が沢山いて、発注が極度に少ないという現状をどうやってクリアして、全国の力ある皆さんの仲間入りをする企業を育てるかが長野県の業界に課された課題である。全国の皆さんのお知恵をお借りしたい。 |
【総・支部だより】 山形県支部 丸森
信裕
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「みちのく」は山形県支部より、最近の出来事をお伝えしたいと思います。当支部が所在する東北地方も桜が散り、サクランボやリンゴ等の果樹の花が咲きそろう、春本番となってまいりました。水田には田植えも始まり、野山の木々にも若葉の緑がまぶしい待望の季節です。そんな季節の中で本県にとってなじみが深いのは、山形市で毎年国分寺薬師堂の祭礼に合わせて行われ、約40万人もの人出がある「薬師堂祭り植木市」です。この植木祭りは、日本三大植木市のひとつといわれるほど古くから開かれているもので、事の始めは四百数十年前、時の城主最上義光公が大火によって失われた城下の緑を復活させ、人々に希望を与えて城下の生活を復興させるために、緑化奨励として付近の農民達に呼びかけ開かせたのが始まりと伝えられています。東北でも比較的小さな城下町で、これほど規模の大きい植木市が開かれてきたという事は、県民の心の中に自然と人間との関りが無意識に存在してきた、と言う事なのかも知れません。その様な県民性を持つ県都山形市に先頃、地球温暖化対策緑地として「西公園」がオープン致しました。 この公園は、正式名称を「山形地区地球温暖化対策緑地 西公園」といい、独立行政法人 環境再生保全機構の事業として、地球温暖化やヒートアイランド現象の緩和に役立つ緑地を整備する事を目的に、山形市と譲渡契約し整備されたもので、公園面積は約15・6haあり、5年の歳月と約59億円をかけ山形市の西方に建設されております。 西公園は、二酸化炭素を吸収・固定するという緑の働きに着目し、地球温暖化防止に貢献する緑豊かな公園として整備されており、豊かな緑とそこに住む生き物についての環境学習や、緑の中での健康づくりなど、いろいろな活動に利用できる公園として多目的に整備されています。 主な施設としては、パークセンター、屋内多目的コート、クラブハウス、テニスの森、遊びの森、どんぐり工房、芝生広場、のびのびガーデン(足湯)、いも煮広場などがあり、市民の憩いの場となると共に、先日は山形市主催の植樹祭も行われました。またこの西公園では地球温暖化を防ぐために啓蒙的にもいろいろな取り組みをしており、どんぐりから苗木を育て市民参加で植付けたり、公園で発生した木の枝や幹をチップ化して有効利用するなどの取り組みをしております。また自然エネルギーの活用として、屋内多目的コートの屋根には大きなソーラーパネルを設置してソーラー発電を行うことや、雨水を活用して施設の水源として活用するなど、環境に対する負荷を低減するさまざまな取り組みを行っています。 このように地球規模での環境に対する意義を持つ施設が、我々の身近に出来たということは、先程の約400年来続く植木市との関りと合わせて、これも県民性との何かの縁ではないかと思われてなりません。このようなことから、我々の造園業界が職業を通じて、環境と地域の人々との生活に、ますます深く関っていく事を実感している今日この頃であります。 皆様も近くにおいでの際は、季節の果物や旬の食材に恵まれた本県にお立ちよりいただき、観光を楽しんでいただければと思っております。 |
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静岡県支部 事務局長 西島 弘一郎
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昨年、平成16年4月8日から10月11日までの187日間、風光明媚な浜名湖畔で開催された「しずおか国際園芸博覧会」浜名湖花博。日造協会員の皆さん、多数ご来場いただきました。感謝申し上げます。 当協会、成家会長、和田理事にはたびたび足を運んでいただきました。AIPH ファーバー会長、ルンク事務局長をはじめ、ご来賓として来日された方々との接遇や国際コンテスト最高審査員として対応して下さいました。心よりお礼申し上げます。また会期中、中部総支部高村総支部長をはじめ会員各位には各種コンテストの審査員としてご参加いただき、造園の専門家としての技量を発揮していただきました。 会場を彩る美しい花々、造園修景、花卉園芸における産地としての知名度や栽培技術のレベルアップ等々、さまざまな成果を上げることが出来ました。目標を上回る544万人もの来場者により、大きな成功を収めました。昨今、業界を取りまく厳しい経済状況は続きますが、“浜名湖花博”を一過性のものに終らせることなく、私達、造園業界としての経済波及効果や造園技術の向上等、花博によってもたらされた、有形、無形の資産を継承し将来に向けて発展させるよう努力していきたいと考えております。花博開催の跡地は、今年6月5日より都市公園「浜名湖ガーデンパーク」として装いも新たに開園しました。 終りに千載一遇のチャンスをくださった関係者各位に、支部会員一同心よりお礼と感謝を申し上げます。 |
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山口県支部 事務局
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当支部も他地区と同様に造園工事の減少に苦慮しております。その中でも何とか苦境脱出の糸口を見出すため、努力を続けています。昨今は入札制度の変更が取りざたされており、一般公募や電子入札も自治体レベルまでスケジュールに上がって来ました。昨年度は、そのような中で入札参加資格の基本となる経営審査の評点アップ対策の講習会を県造協と共催で取り組みました。経営審査の大事なことは協会員全てが自覚はしていましたが、会計処理の方法や、在庫の縮減や、効率的でない資産の縮減で、大幅な評点アップが見込めることがわかりました。山口県支部自作のシミュレーションソフトを早速自社の会計や、その他の項目で試してみました。かなりの成果があったと思います。また講師の先生に今の時代に会った会社経営のあり方や、基本的なスタンス等も熱心に講議していただきました。 経営者としては、技術、技能の研鑽に比べ、どちらかというと、やや見落としがちな部分に気付かせていただきました。規模の拡大が大変困難になっている状況で、スリムで、内容の良い会社経営を今後も目指して行きたいと思います。 また基幹技能者の講習会も県独自で開催いたしました。規模の小さな県では、他県で行われる講習を受けざるを得なかったのですが、交通費や宿泊費の負担が重く、なかなか受講者が集まりにくいのが現状でした。 しかしお陰で一気に有資格者が増加しました。これから行政にも資格の活用をアピールして行きたいと思います。 |
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カナダの回遊式庭園(ブッチャートガーデン) 内山緑地建設梶@伊東伴尾 |
ブッチャートガーデンは、19世紀末、カナダで近代的なセメント事業で成功を収めたロバート・ブッチャート夫人、ジェニー・ブッチャートが、石灰岩(セメント)採掘跡地に造り始めた庭園です。 1904年に庭園の一部が完成した後も庭園を造り続け(これが本当のgardening か?)、更にその精神は100年後の今日まで子孫に受け継がれています。 そして、今や20haもある回遊式ガーデンにまで拡張され、年間100万人が来場する世界でも有名な観光スポットとなっています。 昨年の夏、私は訪れるまで、この庭園はサンクンガーデンがあるだけのイメージでしたが、訪れたことにより様々なガーデンの回遊式であることが分かりました。また、傷んだ花や雑草に気づかない程、十分な庭園の管理が施されていました。 順路に従い、バラと草花の園路を進みながら南側の樹林を抜けると、眼下に突如としてサンクンガーデンが現れます。 見学者は、まず、中腹からガーデンを俯瞰し、次に展望小屋から更に上がった場所からの眺望を楽しみます。次に庭園に下り散策路の奥に誘われながら、突き当たりの池に至り、幾重にも変化する噴水のアトラクションに感動させられます。帰りは、やや高い視点で庭を見る園路となっており、次のガーデンへと進みます。様々な高さから丁寧に庭を見せ、彩りのある草花や動的な水のアトラクションで十分に楽しませてくれました。 更に順路はコンサートローン&ガーデン、ローズガーデン、日本庭園、イタリアンガーデン、温室等へと続き、様々な庭園様式を楽しむ回遊式庭園となっていました。 一方、日本の回遊式庭園は江戸時代に完成した庭園様式で、多くは離宮や大名屋敷等で造られました。様式は、庭に茶亭や庭園建築を配し、これらを園路で結び、築山、島、入江、洲浜など移り変わる景色を歩きながら鑑賞するようにしたものが多いようです。このモチーフは自然風景の名勝などです。 ブッチャートガーデンと日本の回遊式庭園(括弧内)との違いは次のようなことではないでしょうか。 @モチーフは世界の庭園と園芸様式(日本の自然と庭園様式)、A広い空間を使い立体的に演出(狭く平坦地が多い)、B多彩な色使い(モノトーン)、C時代に合わせながら変化させる。(同じ姿を維持)、D利用者は一般大衆(特別に許された少数) 国際化や生活様式の多様化が進む中で、今回のブッチャートガーデン訪問は、私にとって、庭園造りのヒントを得る絶好の機会となりました。 |
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事務局の動き |
【5月】 10(火)・ 「広報日造協」編集会議 12(木)・ 鹿児島造園建設業協会30周年記念大会 13(金)・ 第8回財政・運営検討特別委員会作業部会 ・ 国際都市交流推進協議会報告会 16(月)・ 建設産業構造改善実行委員会 ・ 技術・事業正副委員長会議 ・ 事業委員会 17(火)・ フラワーツーリズム理事会 18(水)・ 日本造園組合連合会総会 19(木)・ 第9回財政・運営検討特別委員会作業部会19(木)・ 総務委員会財務部会 ・四国総支部総会講演会(講師派遣) 20(金)・ ランドスケープコンサルタンツ協会20周年式典 23(月)・ 第4回財政・運営検討特別委員会専門部会 24(火)・ 都市緑化技術開発機構理事会 ・ 静岡県支部総会講演(講師派遣) ・ 会計監査 ・ 道路緑化保全協会総会 ・ 東京都造園緑化業協会30周年記念式典 25(水)・ 都市緑化基金理事会 ・ 建設広報協議会総会 ・ 建設業専門団体連合会担当者会議 ・総務委員会(全国) 25(水) 〜27(金) ・エコ・グリーンテック2005 26(木)・ 福岡市緑化フェア打合せ 27(金)・ 公園緑地協会総会 ・ 新潟県支部総会 31(火)・ 公園緑地管理財団評議員会 【6月】 1(水)・ 日本の景観を良くする国民大会 2(木)・ 理事会 7(火)・ 広報部会 13(月)・ 第5回財政・運営検討特別委員会専門部会 14(火)・ 中央職業能力開発協会理事会・総会 ・ 正副会長・常任委員長合同会議 21(火)・ 都市緑化技術開発機構評議員会・臨時理事会 ・ 勤労者退職金共済機構評議員会 ・ 雇用改善推進事業ヒアリング 22(水)・ 日本花普及センター理事会 23(木)・ 平成17年度総会 ・ 第2回財政・運営検討特別委員会 |