INDEX |
広報 日造協 2005年08月10日 第377号 |
6議案審議、災害対策など学ぶ 建設事業関係 【樹林】
緑を育てる心 |
|
造園の足元を見直すDEF
造園工事の今むかし
行政の現場の声
お客様満足度が第一
【緑滴】「落札率」報道を読んで
|
|
技術レポート No.013 【麹町箱】
|
|
【総・支部だより】 指定管理者制度に対応し研修会 大分県支部
新時代の公園緑地話題に講習会開く 和歌山県支部
|
|
6議案審議、災害対策など学ぶ
|
平成17年度の事業計画などについて審議するため、全国の日造協総支部、支部の事務局長ら約60人が集まり、事務局長会議兼雇用管理責任者会議を7月22日、東京・千代田区の弘済会館で開催した。会議では6議案の審議のほか、富士教育訓練センターの認定訓練や労働安全衛生と災害対策についての講演も行われた。 会議は冒頭、成家次男会長が「景観緑三法の本格的な実施に向けて緑豊かな国づくりに積極的に取り組み、技術提案型の入札契約制度の改善を踏まえた造園工事施工体制の強化や指定管理者制度の普及促進など新分野への進出を含め、事業の確保と良質な工事の推進に努めるとともに、地球温暖化対策など、需要の拡大が見込まれる民間緑化工事への対応を積極的に進めていく。今後も協会活動への尽力をお願いしたい」とあいさつ。@平成17年度の事業計画及び予算 A財政・運営検討特別委員会の審議状況 B情報の共有 C広報日造協及び会員実態調査 D日造協認定資格制度の改定 E支部の活動――の6議案について議論を交わした。 このうち、財政・運営検討特別委員会については、専門部会と作業部会を設け、日造協ビジョンや財政のあり方などの審議状況を報告。情報の共有化では、インターネット上で、常時接続可能な情報フォルダや電子会議室などが設定できるグループウエアを設置し、今後、全委員会に採用し、情報共有スケジュールや意見交換などに利用。順次、総支部・支部事務局に導入。会員にも利用を広げていく方針を決めた。 認定資格に関しては、資格制度要綱の変更について説明した。これまでの「街路樹剪定士認定研修会」を試験と研修会に分け、直接試験を可能とした。試験にはこれまでどおり学科と実技があるが、実技については判定基準を明確にし全国の技術レベルの均一化を図ることとした。また受験資格を一部変更し、2級造園技能士の場合は取得後2年以上の剪定業務経験が必要になった。 「植栽基盤診断士」についても来年度からの会員以外へ門戸を拡げるため、資格制度を見直した。まず「植栽基盤診断士補研修会」では受講資格を設けず、興味ある方は誰でも受験可能とし、そのかわりに「植栽基盤診断士認定試験」の受験資格を「診断士補」研修会の修了認定者で @一級造園施工管理技士取得後5年以上 A一級造園技能士取得後6年以上 B実務経験15年以上、のいずれかの実務経験を有することとした。この他に調査器具の取扱い方が学べる「植栽基盤診断・地盤調査実技研修会」を新たに設け、受講した方は「診断士補」研修会の修了試験の一部(実技内容の筆記)を免除するという特典がある。 資格に関する詳細はホームページ(http://www. jalc.or.jp)で案内している。 |
||
支部活動については、第22回全国都市緑化ふくおかフェアが9月9日から11月20日まで開催されるのにともない来場を呼びかけるとともに、千種類150万本の花と緑、造園業界が中心となった7千uの癒しの森、2千5百uのパークゴルフ場などの見どころを紹介。沖縄からは「良好な道路景観を目指した街路樹の剪定」を取りまとめ、今後国道をモデルケースとした樹種選定や継続的な街路樹の整備に活用、要望を行っていくことを報告した。 また、芝生の利用については多数の取り組みが紹介され、長野では昨年度芝生化のモデル事業を実施し、他校に広がりをみせているのをはじめ、スキー場を芝生化することで、夏場にサッカー場として利用するなど、地域振興を目標とした結果、成果が得られているとした。 東京でも都が10億円を計上し23区各1校をめどに校庭緑化を実施。群馬では造園科のある高校で実施、授業と一体化のメリットがあった。 これらを踏まえ、幼少期の教育や環境問題を重視し、文部科学省が日本緑化センターと全国の事業事例をまとめたマニュアルを発行するなど、芝生化はメンテナンスなどの課題をクリアすれば、急速に普及するだろうと山田副会長が述べた。 静岡からは浜名湖花博、愛知から愛知万博へのそれぞれ協力のお礼、兵庫からはNHK「わかば」について、業界で全面協力し技術指導は大変だったが、観光客の増加や造園への理解に好影響があった、などの報告がなされた。 認定訓練については、職業訓練法人全国建設産業教育訓練協会富士教育訓練センター校長の菅井文明氏を講師に行われ、現場で仕事ができる技術者・技能者を養成していると、センターで実施するさまざまな研修について紹介された。 また、続く講演は、建設業労働災害防止協会技術監理部・安全管理士の樋川弘之氏が行い、刑事責任をはじめとする労働安全衛生の4つの責任や墜落事故が最も多いなど災害事例全般、災害防止対策について語り、造園の場合、樹木からの墜落が35%、脚立、はしごからの墜落が40%ではしご等の固定や安全帯の使用、さらに作業スペースの確保が重要などの安全対策を呼び掛けた。 |
||||
05年度功労者
|
国土交通省は05年度の建設事業関係功労者・優良団体の大臣表彰を7月11日、同省大会議室で行った。今回の表彰は個人289名、団体5団体。当協会員からは、都市計画事業関係として、6氏が表彰された。 表彰者は以下の通り。 ▼永島生雄(66)=石翠園代表取締役、元茨城県造園建設業協会会長、水戸市 ▼市川五十男(66)西武造園代表取締役社長、日本造園建設業協会理事、府中市 ▼佐藤四郎(61)日比谷アメニス代表取締役社長、日本造園建設業協会副会長、練馬区 ▼橋本莊八(61)福田園代表取締役社長、富山県緑化造園土木協会会長、富山市 ▼三好勝(63)ミヨシ代表者、福井県造園協会副会長、武生市 ▼高嶋幸雄(58)高嶋造園代表取締役社長、福岡県造園業協会副会長、久留米市 |
|||
【樹林】 |
私の生まれ育った家は、桜や桐、いちょうなど、たくさんの樹木があった。木登りもよくしたし、いちじくや柿など、実が熟すと思いきり食べたものだ。古い日本家屋だった我家の雨の日の遊びは、木の階段を柳行李(やなぎごうり)に乗って滑り降りたり、鴨居に荒なわをぶらさげてブランコをしたりであった。何より木の感触はとてもやさしかった。 関西から上京し、一時はマンション生活もしてはみたが、不思議なことに、また以前と同じような家で暮らしている。そして14年前からは山梨県に農園を持ち、週に一度は季節の野菜づくりを楽しむ日々である。山梨の家の前庭は、もともと山林だったため大きなクヌギの木があり、カブト虫が夫婦で暮らしている。 さて日本は、約70%が山林という国であるが、国民一人一人は樹木に興味を持っているのかどうか疑問に思うことがある。大開発で、新しい町ができ、コンクリートで固められた空間が多くなると、私はとても行く気にならない。また大きな屋敷が庭の樹木もろとも一瞬の間に更地にされると、そこにパズルのように5軒ほどの家が密接して建てられる。山梨でも畑の中に家が建てられると駐車場はもちろん、門から玄関までのアプローチはしっかりコンクリートで固められてしまうことが多い。 さて東京・渋谷の自宅近くに幼稚園があり、庭に巨大なスズカケの木がある。秋には落葉が大量に落ちる。そのことで苦情がでるらしく幼稚園はとても気をつかっている。 こんな話しもある。樹木の葉が樋をつまらせるだの、側溝に葉が落ちてつまるから行政は掃除しろだのと言う人がいるらしい。日頃どれだけきれいな空気を、また夏には涼しさを提供してくれているか考えないのだろうか。 人間は緑なくして生きられないのだ。 時々、犬の散歩で公園を歩くと名前入りで結婚記念に植樹した樹木に出あうことがある。何だかほのぼのとしてくる。 緑をふやす法律もかなりできてはきているようだが、一番大切なのは、国民一人一人が緑を育てる心を持つことであると思う。 |
造園の足元を見直すD 造園工事の今むかし |
造園工事の下請を主としていた職人5人ほどの家に生まれ、小さい頃から家業を手伝い、職人、施工管理、計画、営業から、現在会社全体を見るようになりました。その経験から、感じたことをお話します。 |
|||
造園の足元を見直すE
行政の現場の声 |
今日も都民から街路樹管理への苦情・要望の電話があった。「我々は、無償で落ち葉の掃除をしている。一方、金をもらって仕事している業者は、一部だけ掃除して30分もタバコをしている。税金を払うのがばかばかしくなる」苦情・要望に答える中で、つらい内容の一つである。管理に携わる人すべてが、怠け仕事に見えることをしているわけではない。 |
|||
造園の足元を見直すF お客様満足度が第一 |
都市公団から都市機構への改組に際して、理念に「CS(お客様満足)を第一に、新たな価値を創造します」を掲げました。 |
|||
人事異動 |
国土交通省(8月2日付) |
|||
【緑滴】 |
私の机の上には様々な資料が山積みとなっていて、社内でも『埃大王』とひんしゅくを買っている。先日来、地震が多発していることもあり、崩れても困るので整理しようと考え一角を片付け始めた。特にほこりに塗れていたのは歩掛り・積算関係の資料で、IT化も進みパソコンによる積算を工事部幹部が活用・応用していることも一因。その意味では「御役御免」とリサイクル用紙類置場へ直行となってしまったのだが、ある書籍の扱いで考えてしまった。7建設物価調査会より発刊されている「諸経費率早見表」という本で、広報日造協をお読み戴いている諸兄には笑止であろうが、最初の約40ページが通達や用語の定義で、残り約500ページが数字の表だけという一般の方々には奇異な(関係者の皆様、失礼!)本である。私は昭和60年の初版本以来の愛表者であるが机上の最新版は折目も手垢もないまま表紙のみが変色していた。出番がなかったのである。平成15年より取り組みが始まった「公共事業コスト構造改革(総合コスト縮減率15%〔数値目標〕34施策)」にある市場単価やユニット単価方式の導入、また、入札・契約方式の変化が理由ではなく、入札予定価格事前公開制や過剰競争による最低制限価格帯への集中、また一般新聞紙上によく載る落札率批判が思い当たった。民間受注業務面でも「積算直接工事費の何十%引き」等の話を耳にすることが多く、表を応用する機会がなかった。ある積算コンサルと称する輩などは、最低制限価格を有料+成効報酬で指南する等々、DMで送ってくる始末である。平成15年夏より代表に着任したばかりの新米者がこのような場を借りて誠に恐縮ながら、この一連の現象には「経営」の視点が全く抜けているように思えてならなかった。昨日、土工協会長の「我々業界も落札率95%ぐらいの精度の積算は可能……」の全国紙報道を拝読し、この5〜10%が、本で言う一般管理費の定義を思い出させて頂いた。『一般管理費とは工事施工にあたる企業の継続運営(=経営)に必要な費用をいい、一般管理費用及び付加利益からなる』とある。付加利益の中には法人税・都道府県民税・市町村民税も含まれていることを読み、今営業の戦線で起こっている落札率70〜80%という現象が、一般管理費だけで足らず、現場管理費・共通仮設費まで食い込んでいることが造園業界に与える影響を考え、背筋が凍りついてしまった。いろいろと考えた末、(率表の部分は2度と使うことはないと思っていながら)当面の間、資料書庫に保存することとした。次回この本を引っ張りだす時はどんな場面だろうかと想像しながら。 |
|
技術レポート No.013
|
「街路樹多難」:「まるで電柱」住民に落胆も…。(日経夕刊7月7日)「“害路樹”の惨状」消える公共財産、無残、醜悪の姿さらす。(環境緑化新聞3月15日) これらは今年になって紙面で掲載された記事の一部である。 みずみずしい新緑、夏の涼しげな木陰、秋の落ち葉、色とりどりの花 … 季節ごとに装いを変える街路樹は、道行く人々に安らぎと潤いを与え、良好な道路景観を形成している。… はずなのであるが、なぜこのような記事が書かれてしまうのか? それは今、街路樹に何かが起きているからなのだ。 2003年1月30日の小泉内閣メールマガジン第80号に、都市再生戦略チーム座長 伊藤滋早稲田大学教授の[緑陰道路を造ろう]が[特別寄稿]として掲載されるとすぐに、街路樹を剪定しないことについて理解を得られ、積極的に受け入れていく地区を募って試行的に実施することとして、北海道から沖縄まで25地区が緑陰道路プロジェクト・モデル地区が指定されるなど「緑陰道路プロジェクト」として全国展開が急速に進むかに見えた。…が現状はどうであろう? 緑陰道路を提案された伊藤教授自らが、日比谷公園で開催された「日本の景観を良くする国民大会」で強剪定の街路樹を「残したくない日本の景観」ワースト10に挙げ、さらに文春8月号では“「醜い日本の景観」リスト初公開”みにくい景観25選に「切り込みの強い街路樹」としているなど、本来の樹形や剪定技法をまったく無視した無残な街路樹が日本の各地に存在している。 8月3日には、都市再生・環境フォーラム2005が東京国際フォーラムで開催され、「豊かな緑陰道路、実践のための諸問題」と題するワークショップで、藤井英二郎千葉大園芸学部教授により街路樹をとりまく現状と課題について基調講演がおこなわれた後、パネラーとして、増田拓朗香川大学工学部教授、日建設計ランドスケープ設計室設計長の三谷康彦氏、それに私が参加し街路樹の実情や今後の方向性についてさまざまな角度から問題提起がされた。 果たして、街路樹には今なにが起きているのだろう? 醜いとされる街路樹が多くなったと感じられるのはなぜなのだろう? ■ ■ ■ 街路樹は、人々が日々の暮らしの中でもっとも身近に接し、目にする樹木の一つであろう。公園や自然林の樹木とは違い、街路樹は道路という特殊な環境に植栽されているため、強風、寒風、ビルからの輻射熱、電線や標識などの空中施設、車道、歩道の建築限界、ガス、水道、排水などの地下埋設物、歩道と車道に挟まれた小さな植樹スペースで周辺は舗装としての強度を保つために締め固められる、などさまざまな制約のもとで生育しなければならない。(図1) さらに、街路樹の所有者である国や地方自治体の管理者の方々は、年々削減される予算の中での維持管理を余儀なくされることに加えて、「落ち葉が多くて困るから枝を切ってほしい」「病気や害虫の対策を」「商業施設の看板が見えなくなるのでばっさりと枝を切ってほしい」などなど沿道の住民からの要望やクレームにも対応することが求められているだろう。 しかし、枝を切る前に少し待っていただきたい。 街路樹はいきものなのだ。 いきものである以上成長を続け、厳しい環境で生き続けるために必要な枝と根を伸ばし、葉を落とし続けている。 伸びた枝葉は、適切な時期に適切な技術で定期的に剪定することが必要で、醜いといわれる原因と思われる強剪定や不適切な時期の剪定は、伸びすぎた髪をお金がないからという理由で、数年に一回だけ丸坊主にしてあとは伸び放題にしておくことと変わらない。 こんな髪をした人には近づきたくないと思うが、街路樹も同じことである。 枝の切除が必要な場合には、樹木の成長を見込んだ上で適切な技術により適切な位置で切らなければならない。 信号や交通標識、看板などに配慮して枝を切る場合も、切る前に道路景観全体としてその優先順位をもう一度見直していただきたい。 たとえば信号機をロングアームにすることで、見やすくすることも可能かもしれない。 数年すれば樹木が生長し、枝下の見通しが良くなるかもしれない。 電線も直接触れる枝を選定して樹冠の中に通すことで、街全体の景観が良くなるかもしれない。 邪魔だといってチェーンソーを持ち出す前に、ぜひともいろいろな可能性を考えていただきたいのである。 ■ ■ ■ 街路樹を本来求められる美しい姿で維持するためには何が必要なのだろう。 まずは計画である。 街路樹の計画は、その道路幅員や周辺状況、景観の考え方、地域性、樹種の特性、機能性、管理性など多くの条件を整理したうえで、将来の管理計画を前提に樹種選定されるべきである。 住民のアンケートによって選ぶような一見住民との合意形成とも取れる手法は、そこにみどりのプロの目で見たフィルターがかからないと、人気投票によって流行の樹種が選ばれてしまうということになりかねない。 たとえば、日本各地で見られるアメリカハナミズキの街路樹などはよい例だろう。 地域性もなく、道路とのスケールも不整合で、本来の枝張りが車道、歩道の建築限界によって切り取られ、せっかくの花もそっぽを向いて咲いている。そんな光景を目にした方も多いのではないだろうか。 歩行者専用道路のようなところには適した樹種も、大きな道路ではいかがなものだろう。 樹種選定を含めた計画とともに重要なのが、目標樹形の設定である。 街路樹は、自然樹形とはいえ、人の都合で整形された、矯正型の人工樹形といえる。 たとえば同じイチョウでも、自然のままに育ったものは、底辺の広い三角形になるだろう。われわれがイチョウとしてイメージするのは東京の絵画館前にあるような先のとがった二等辺三角形ではないだろうか。 これは、自然樹形のイメージを残しながら、人工的に作られた、矯正型の自然樹形であり、日本の街路樹はこのタイプが多いと考えられる。(図2) 適切な目標樹形を設定し、現状の樹形を目標に向かって長い時間をかけて維持する。これが、街路樹の管理で大切なことである。 そのためには、街路の計画における考え方や目標とする樹形を継承することが求められ、目標の樹形を完成させるための管理方針も多年度にわたって継続することが必要である。 これには、剪定作業だけではなく、生育不良の樹木や、大きくなりすぎたり、老齢化した樹木の更新も含まれている。 大きくなりすぎた街路樹は、樹形を再生するなどの必要に応じて強剪定を行うこともあるだろう。そのような場合には、ぜひとも、目的と数年先の樹形イメージを説明するための解説版の設置を提案したい。 冒頭の写真が、樹形再生のためであるのならば、将来のすばらしい樹形が楽しみなのだが。(図3) 街路樹は、自然林や公園などに植栽された樹木とは異なり、道路の機能を発揮するための植栽であり、いきものとはいえ道路施設と同様にライフタイムというものがあるはずで、数十年後の更新を当初の計画から織り込んでおくこともよいのではないだろうか。 その場合にもライフタイムを経過した街路樹はただ伐採するのではなく、他の場所で活用することも検討されるべきである。 もうひとつ、街路樹の姿で気になることがある。それは、放置された支柱や幹巻きの残骸である。 支柱や幹巻きは樹木が活着するまでの仮設物であり、自立した樹木には不必要どころか、生育の障害にさえなるものである。 それが、取り外されることなく放置され、支柱が幹に食い込んだり、幹巻き材が破れ包帯のように醜い姿をさらしていることが多い。 ぜひとも、適切な時期に取り外していただきたいものである。 ■ ■ ■ 美しい緑陰のある道路は、そこにある街路樹の適切な管理によって実現するものである。 それはわかっているものの、管理には当然のことながら手間と費用がかかり、予算削減の中でどうすればよいのかという多くの声も聞こえてきそうである。 これはほんの個人的な思いつきなのだが、街路樹の維持管理にスポンサーをつけることはできないのだろうか? 近くの住民がみんなで少しずつ管理費を出し合って街路樹の里親になっても良いし、環境や景観に関心のある企業がスポンサーになっても良いかもしれない。 もしも、この手法が可能なのであれば、自分たちの街路樹として関心も増すだろうし、管理費が足りないからと数年に一度の強剪定で醜い姿をさらすこともなくなるのではないだろうか。 街路樹がそこに暮らす人々にとって害路樹とならないためにも、街路樹のファンを増やしてすばらしい緑陰のある美しい道路景観を創ろうではありませんか。 |
||||||||||
【麹町箱】
|
昨年の度重なる台風来襲からして、今年もさらなる風水害に悩まされることを予測して参りましたが、4月〜6月の寡雨により、松山市の水瓶、石手川ダムの渇水が再び浮上するかにみえました。しかし、先月末の降雨により、今は余剰水の排出を行なっている状況であります。恵みの雨後、各所にみられたサツキの開花は来春への花芽を消耗したかにうかがえます。 毎夏、頭をよぎるのが、植栽地に対する灌水作業であります。四国山脈を境に降雨に恵まれた高知に比較し、瀬戸内海に面する広島、岡山、香川、愛媛四県の、花岡岩風化土(真砂土)地帯植栽地では、土壌水分の特に厳しい状況となります。愛媛に降った雨は徳島と高知に流れ、後背山地の浅い香川では特別水に苦労することになり、溜池と吉野川分水に頼ることになります。 このことからすると、植栽樹種の選択は特に重要な問題点となります。“下水処理水使用”との灌水車輌横幕も、高価な水を使用しているとの印象を与えかねなく、その水と労力も2〜3日で蒸発(税)してしまうでしょうから、まことにもったいないかぎりです。 平成6年度には、39社参加していた日造協愛媛の会員数が26社と減少に歯止がかからなかったのも、県南地域(南予)での仕事量に係わるところが大きかったもようです。 昨年における東予地域の災害復旧には日造協各社、微力ながらの3日に渡る奉仕活動に参加、みどりの日の募金、苗木の配布・クリーン愛媛運動・愛リバーサポーター制度・県立伊予農業高等学校での造園実習講師派遣等奉仕活動を通じた地域社会との係りの中で日造協を県下における緑の担手としてアピールしつづけて行きたいと考えて居ります。 夜鳴(7月10日)する蝉の程啼く、枝篠粉砕堆肥よりシマトネリコへ大量に飛来したカブトムシの食餌行動から、誘引樹木としての利用が考えられます。 様々な事象等もとらえ摸索し続け、皆で“がんばっていきまっしょい” (愛媛県支部 事務局) |