INDEX

広報 日造協 2005年09月10日 第378号

1面

平成18年度関係概算要求

 都市公園事業費ベース 2826億円に 
 防災公園の拡充を図る

環境省自然公園
 環境・景観の保全へ

【人事異動】

全国労働衛生週間
 9月1日〜30日まで準備期間 本週間は10月1日〜7日

生きものを含めた「みどり」と造園家
 財団法人 練馬区都市整備公社 まちづくりセンター準備室(みどり担当)
                                         岩崎 哲也

 

2面

平成18年度都市公園等概算要求
 新規要求事項および重点要求事項

平成18年度 環境省概算要求
 環境緑化関連予算の概要

【麹町箱】

 仙台市「百年の杜づくり」への期待       宮城県支部

 

3面

第22回 全国都市緑化ふくおかフェア
 アイランド花どんたく開幕 「花の緑の幸せ物語」テーマに73日間

植栽基盤診断士認定試験
 「学科試験」実施概要決まる

「造園人文化交流会」開く
 会場に1500人集まる

【緑滴】 競争力のある造園専門技術とは    叶ホ勝エクステリア  小松 秀次

 

4面

【総・支部だより】
 魅力ある支部づくりへさまざまな取り組み      滋賀県支部

 植栽基盤診断など各種研修会を実施        沖縄総支部

 造園工事の適切評価へ労務単価勉強会開く    九州総支部

10月は都市緑化月間 緑のイベント多彩に
 「都市に緑と公園を」全国大会など開催 

事務局の動き

 

1面

 

平成18年度 関係概算要求
都市公園事業費ベース 
2826億円に 

防災公園の拡充を図る

 国土交通省は8月末、平成18年度都市公園・緑地保全等事業予算概算要求概要を発表した。これによると要求総額は事業費ベースで、前年度比1・09倍の2826億200万円で、このうち国費は1411億8700万円で、前年度比1・10倍となった。

 概算要求の基本方針には、@緑とオープンスペースの総合的・計画的確保A社会資本整備重点計画の実現――が掲げられ、都市域における水と緑の公的空間確保量を平成19年度までに約1割増(平成14年12u/人→平成19年13u/人)とする指標などを示した。

 新規要求事項及び重点要求事項では、(1)防災公園の対象要件の拡充(2)防災公園の耐震化・防災機能強化緊急対策の推進(3)緑地環境整備総合支援事業の拡充(4)国際博覧会への参加――を図ることとした。

 また、事業の効率的・効果的実施についての取り組みでは、(1)事業の重点化、事業間連携の取り組み(2)事業評価の的確な実施(3)整備プログラム等に基づく着実な事業実施(4)地域の多様なニーズへの対応(5)コスト縮減の実施(6)PFI事業の推進(7)「政策群」への取り組み――を推進。

 税制改正要望では、緑化施設に係る特例措置の拡充を図るため、これまで固定資産税の課税標準を5年間2分の1とした敷地面積1千u以上の緑化重点地区内の認定緑化施設について、敷地要件を5百u以上に拡充することとした。(詳細2面)

環境省 
自然公園
環境・景観の保全へ

 環境省は8月末、平成18年度自然公園等事業予算概算要求・要望事項を発表した。これによると要求額は、145億8600万円で、前年度比1・16倍となった。
 自然公園事業等を中心とする環境省の重点施策では、生物多様性の保全と自然との共生の推進が掲げられ、日本が誇る自然環境・景観の保全と健全な利用を図るため、知床など@世界自然遺産の次世代への確かな継承を図るほか、A広範な関係者の参加による魅力的な国立公園づくりの推進と自然とのふれあいの場の整備を推進。
 目指すべき国立公園像を明確にし、それぞれの地域における関係者の参加・協力による運営体制を整備し、魅力的な国立公園づくりを実現し、あわせて国立公園の自然環境保全・利用快適性レベルの向上を図るため、自然環境保全のための対策事業の充実、施設の維持管理の充実、良好な景観形成の推進、安全対策の強化を進める。

【人事異動】
国土交通省
(8月12日付) 

 

▼土地・水資源局長=阿部健(大臣官房審議官(併)都市・地域整備局) 

▼大臣官房審議官(併)都市・地域整備局=高梨雅明(都市・地域整備局公園緑地課長)

▼都市・地域整備局公園緑地課長=小川陽一(大臣官房付)(8月2日付)

▼辞職(8月1日付)(独立行政法人都市再生機構経営推進役)=岡田順一郎(国土計画局総務課長)

▼出向(衆議院調査局国土交通調査室次席調査員)=長濱克史(都市・地域整備局公園緑地課公園企画官)

▼都市・地域整備局公園緑地課公園企画官=岡田憲幸(総合政策局国土環境・調整課企画専門官)

▼大臣官房付・即日辞職(8月1日付)(独立行政法人都市再生機構経営企画部チームリーダー)=黒田憲司(東北地方整備局建政部長)

▼東北地方整備局建政部長=森義一(土地・水資源局地価調査課地価公示室長)

▼住宅局総務課民間事業支援調整室長=本東信(関東地方整備局建政部長)

▼関東地方整備局建政部長=長谷川新(河川局水政課水利調整室長)

▼大臣官房付・休職(ベターリビング研究企画部長)=春川真一(中部地方整備局建政部長)

▼中部地方整備局建政部長=下山洋文(都市・地域整備局総務課都市高速道路公団監理室長)

▼大臣官房付=渡辺秀樹(近畿地方整備局建政部長)

▼近畿地方整備局建政部長=居谷献弥(国土技術政策総合研究所住宅研究部住宅計画研究室長)

▼九州地方整備局建政部長=古賀省三(河川局砂防部砂防計画課火山・土石流対策官)

全国労働衛生週間
9月1日〜30日まで準備期間
本週間は10月1日〜7日

 平成17年度(第56回)全国労働衛生週間は、「働き過ぎていませんか 働き方を見直して 心とからだの健康づくり」をスローガンに9月1日から30日までを準備期間、10月1日からの一週間を本週間に全国一斉に積極的な活動が行われる。事業所においても周知し、自主的な労働安全衛生活動に務めたい。

生きものを含めた「みどり」と造園家
 財団法人 練馬区都市整備公社 まちづくりセンター準備室(みどり担当)
岩崎 哲也

国土交通省屋上庭園(霞ヶ関)に飛来したチョウトンボ

樹木とともに持ち込まれたゴマダラカミキリ

 「害草」という言葉が使われなくなってきたと同じように、「害虫」という言葉を微妙なニュアンスで使い分ける造園家が増えている。これは、造園植物の扱いが従来とは変化しているからである。造園植物はきれいでさえあればお客様が満足するという時代ではなく、ビオトープに代表されるように昆虫などの生きものや土壌を含めて「みどり」を考えるようになって既に久しい。それにも関わらず、移入動植物種や移入土壌に関する造園の取り組みには多くの課題があり、造園技術としての進展はまだまだこれからである。

 とは言っても、5年前から関係している屋上庭園(東京霞ヶ関)の昆虫相を例にすれば、竣工後1年間で確認した種の65%が、植物や土壌とともに造園家が運び込んだ地域外からの移入種と考えられる。このように、造園界が地域の生きもの界に及ぼす影響は極めて大きく、身近なみどりを通じた子どもたちの教育などを考えれば社会的な責任もとても重い。すでに昭和50年代から、関東地方のクマゼミや各地のアオマツムシを例にこのことが造園界の外部から指摘されている。今、外来生物法の施行を機に、本格的に地域外移入種の問題に取り組む良いチャンスであり世論とともに歩むために必要なステップである。

 世論といえば、練馬区では平成18年4月に、「(仮称)練馬区まちづくりセンター」が設立される。同時に制定される区まちづくり条例に基づく組織であり、行政にこびらず、市民の立場に立ってこそ力を発揮する集団である。機能している同様のまちづくりセンターは全国でも10団体に満たずというところであり、「みどり」を大きな特徴として位置づける点で、他にあまり例を見ないものとなる予定である。

 また平成18年3月に、「(仮称)練馬みどりを育む機構」が発足する。これは練馬区の条例基金「練馬みどりの葉っぴい基金」を軸に、みどりに関する区民活動を一体的に連携する区民組織を目指している。現在、50名を超える区民を中心に各種部会等が開催されており、熱い議論が繰り広げられている。こうした方々の主たる願いは、お家で植物や花を美しく育てたいとかお庭をきれいにしたいなどでは全くなく、地球や地域の環境や、子どもや子孫のためにふるさとの「みどり」を良い状態で残したいと願う一心であり、そして、そこには生きものが介在する。

 われわれ造園界は、その主導者としての能力を強く問われている。

2面

平成18年度
都市公園等概算要求新規要求事項
および重点要求事項

図1 地域防災拠点の災害時の機能イメージ

図2 官民協働型緑地環境整備事業のイメージ

 平成18年度都市公園・緑地保全等事業予算概算要求(概要1面)の新規要求事項及び重点要求事項では、(1)防災公園の対象要件の拡充(2)防災公園の耐震化・防災機能強化緊急対策の推進が掲げられ、防災対策を推進。
 このうち、対象要件の拡充では、相次いで発生した災害の教訓を踏まえて、災害時に救援活動の拠点となる都市公園の整備や津波からの避難地の整備など、新たに都市公園の体系に@地域防災拠点(仮称)となる防災公園を創設し、各課題に対応した積極的な整備の推進を図る。(図1)
 また、16年4月に公布された「日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震に係る地震防災対策の推進に関する法律」に基づいて指定される地域に含まれる都市の防災対策で、A日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震防災対策推進地域を追加。広域避難地となる都市公園及び防災公園街区整備事業の対象都市要件に追加し、積極的な整備を推進。
 B広域避難地となる都市公園及び避難路となる緑道の対象要件の拡充で、近年の避難地等の安全性評価手法の向上等を踏まえ、地域の実情に応じた広域避難地・避難路の整備を推進するため、「広域避難地となる都市公園」及び「避難路となる緑道」の対象要件を拡充。C津波対策に資する都市公園整備の重点支援では、津波発生時に一時避難地として機能する都市公園等について、防災公園の要件を拡充することによって、積極的に整備。D防災公園街区整備事業の対象地域の追加では、日本海溝・千島海溝型地震対策地域と、県庁所在都市または概ね人口20万人以上の都市について、防災公園と周辺市街地を一体的に整備改善する防災公園街区整備事業の対象地域要件に追加する。
 (2)防災公園の耐震化・防災機能強化緊急対策の推進では、防災関係部局と連携し、非常用トイレなどの機能強化を図る@防災機能強化総合支援事業(仮称)を創設。中越地震で国営越後丘陵公園が災害復旧活動の拠点として活用されたことを踏まえ、A国営公園における防災機能の緊急強化を図っていく。
 また、(3)緑地環境整備総合支援事業の拡充では、京都議定書の発効に伴なう温室効果ガスの削減に向けて、効果を発揮する都市緑化の先進的な取り組みについて重点的な支援を行うこととし、緑地確保のための大規模な用地取得が困難な市街地において、地方公共団体が民間事業者との協働により、計画的に一定区域の緑地整備を行う事業を「官民協働型緑地環境整備事業(仮称)」として、緑地環境整備総合支援事業を構成する事業に追加、効率的な緑地整備を推進。(図2)
 そのほか、(4)国際博覧会への参加では、平成18年11月1日から翌1月31日まで、タイ王国チェンマイで開催される国際園芸博覧会に屋外庭園を設置するとともに、開催期間を通じて、緑化技術に係るデータ収集を行う。

平成18年度 
環境省概算要求

環境緑化関連予算の概要

 平成18年度の環境省概算要求・要望(自然公園等事業概算要求1面)は、新時代を築く「環境の国」づくりを掲げ、@京都議定書の削減約束達成と地球環境保全に向けたリーダーシップA3Rの推進と不法投棄の撲滅 B環境を軸とした豊かな経済社会の創出 C生物多様性保全と自然との共生の推進 D安全・安心な生活の保全 E国民のニーズ、地域の実情に応じた環境政策の展開を柱に、社会の仕組みづくりと、技術の開発、普及を図り、地球社会へ世界をリードする発信力と、地域社会へ国民一人ひとりの行動力の発揮を目指す。 
 造園・環境緑化関連では、B環境を軸―で、環境ベンチャー・コミュニティビジネス育成基盤調査を新設するほか、環境教育等のソフト事業と一体化した環境負荷の少ない学校の施設への改修「学校等エコ改修と環境教育モデル事業」(15億4500万円)、国連持続可能な開発のための教育の10年促進事業を推進。環境体験学習人材育成支援事業や企業の社会的責任(CSR)に基づく地域環境パートナーシップ促進事業の2事業を新たに実施する。
 C生物多様性―で、自然遺産に登録された「知床」の生き物調査をはじめ、魅力的な国立公園づくりを推進。目指すべき国立公園像を明確にし、それぞれの地域における関係者の参加・協力による運営体制や自然体験学習など自然とのふれあいの場の整備を推進。国定公園においては、自然環境整備交付金を活用して、引き続き整備を推進する。
 具体的な予算措置は、自然公園等事業のほか、広範な関係者の参加による魅力的な国立公園づくり推進事業(4200万円)を新設、国立公園等管理体制強化費「アクティブ・レンジャー」(3億1500万円)、国立公園等民間活用特定自然環境保全活動「グリーンワーカー」(3億5千万円)、エコツーリズム総合推進事業費(1億7200万円)などを継続実施。多様な生態系の保全と回復の推進では、特定外来生物防除等推進事業(4億5400万円)のほか、里地里山保全・再生モデル事業調査費(9600万円)、自然再生活動推進費(6500万円)を継続して実施。新たに国土生態系ネットワーク形成推進費(4900万円)、生物多様性国家戦略の見直し検討調査費(1400万円)を設置した。
 D安全・安心―では、都市環境対策等の推進から、屋上緑化や暗渠となっている水路の復活、地下湧水を利用した散水などの対策効果の検証を実施。クールシティ推進事業(3億800万円)を実施する。

【麹町箱】
仙台市「百年の杜づくり」
への期待
          宮城県支部


 仙台が「杜の都」と呼ばれるようになったのは、大正時代といわれています。その当時には、藩政時代から受け継がれてきた屋敷林と周りの丘陵が美しい姿でまちを覆っていました。この豊かな緑は戦災によって失われました。
 緑を取り戻すために、市街地には再び木が植えられ、青葉通や定禅寺通のケヤキは、仙台の新しいシンボルとして大きく成長しました。また、「杜の都の環境をつくる条例」や「広瀬川の清流を守る条例」を制定し、水と緑の回復や保全に取り組んできました。
 しかしながら、20世紀における合理的かつ効率的社会の追求は、人々に物質的な豊かさをもたらしましたが、かたや、自然との共生や人と人とのつながりを軽視する傾向を助長し、地球的規模から市民生活のレベルまでの課題が顕在化し、持続可能な社会への転換が求められるようになってきました。
 このような、時代や意識の転換期を迎え、仙台市においては、「百年の杜づくり」が進められております。 歴史的視点によるこれまでの緑の政策と、地球環境という新たな視点からの緑の政策を融合し、市民・事業者・行政が協動して取り組み、緑の中に都市が包まれる新しい杜の都を創造しようとするものであります。
 環境の世紀である21世紀に相応しく、世界に誇れる百年の杜をつくり出すために、次のような取り組みが期待されます。
 @既存の貴重な緑(自然)を確実に保全すること
 新たな緑(自然)を創造して行くことも大切でありますが、既存の貴重な緑(自然)をいかにしてかたまりとして保全して行くかが重要であります。
 仙台市では、1973年に「杜の都の環境をつくる条例」を制定し、保存樹木、保存樹林、保存緑地を指定して、貴重な緑の保全に努めてきました。また、1989年には「仙台市風致地区内における建築等の規制に関する条例」により、風致地区の緑を保全することとしました。さらに、1997年には都市緑地保全法に基づき、緑地保全地区を指定しました。
 これらの指定地域を保全することは勿論のこと、法的に指定されていない緑(自然)であっても、保全すべきものについては、行政的に対応して、保全して行くことが必要であると考えます。
 A動植物の多様性の維持という視点を取り入れること

このような視点からの政策については、ドイツバイエルンの州都ミュンヘンの例が参考になると思います。ミュンヘンでは、町にある大切な動植物の生息圏を守り、緑(自然)が町に溶け込むようにすることが、都市が調和の取れた発展をするために必須であるという考え方で、1980年代のはじめから、都市のビオトープの保全、創造に取り組んできております。
 そこに住む人間が生きられるように、生態系にとって意味のある緩衝地帯も必要であり、このような目的に適した場所は、動植物の種の保護という役割とならんで、人間が住むことで環境に与える環境圧を緩和することに役立つという考え方であります。
 動植物の生息圏を守り、人間がこれらと共生していくという認識を、推進活動の基本とすることが期待されます。
 B市街地内の緑(自然)に連続性を持たせること
 生態系の保全の視点からは、緑(自然)は孤立して保全されるのではなく、連続していることが大切でありますが、市街地の外延的拡大が進み、緑(自然)のネットワークが分断されてきております。
 以上で述べたとおり、市街地内で、まとまりのある緑地など既存の自然をかたまりで保全することや、ビオトープの復元・創造を推進することが必要でありますが、それらに何とかして連続性を持たせることを考えなければなりません。
 ビオトープの保全・創造に当っても、分断された相互の自然域を結ぶ生物回廊(コリドー)の存在が極めて重要であるといわれております。
 仙台市の市街地を考えた場合、定禅寺通や青葉通のケヤキ並木は、残念ながらコリドーとしては不十分であり、今後形成される市街地の緑の回廊も、コリドーとしての機能は限定されるものと考えられます。 現在までコリドーとして有効に機能してきたのは、七北田川、広瀬川、名取川などの河川の自然であります。河川空間は生物の移動路として極めて重要なものと位置づけられております。今後も、これら河川の自然環境をより充実させ、コリドーとしての機能を高め、これらと結び付けた緑(自然)の拠点づくりを目指して行くことが期待されます。            
                       (宮城県支部長・柴田一成)

3面

 

第22回 全国都市緑化ふくおかフェア
アイランド花どんたく開幕
「花の緑の幸せ物語」テーマに73日間

開幕に寄せてあいさつする高梨雅明 国土交通大臣官房審議官

  第22回全国都市緑化ふくおかフェアが9月9日開幕し、11月20日までの73日間にわたって、積極的な市民参加のもと、花と緑の暮らしを体験から実践へと広げる契機として、広く全国、アジア、世界に発信する。

 第22回全国都市緑化ふくおかフェアは、「アイランド花どんたく」を愛称に、福岡市、7都市緑化基金が主催。7福岡市森と緑のまちづくり協会が共催し、福岡市東区のアイランドシティ中央公園とその周辺域を会場(24ha)に開催。

  「はじまる、花と緑の幸せ物語〜風・博多からアジアへ」を開催テーマに、国内をはじめ、世界各地から、庭園など、花と緑の出展が行われる。 福岡市は、「人・交流の都〜共生と創造をめざして」の機軸のもと「花と緑の国際文化都市」を目指して、市民一人ひとりが豊かさを実感できるまちづくりを進めるとともに、環境をキーワードとして、都市レベルにおける循環型社会の構築から地球環境問題などグローバルな多くの課題に積極的な取り組みを推進。 海に開かれ、大陸との豊かな交流を育み、どんたく、山笠の祭りをはじめ、熱い想いや人情の豊かさで魅力あるまちを形成する博多では、さらに新しい海の街・花と緑の街としてアイランドシティが誕生。その新たな街で「第22回全国都市緑化ふくおかフェア」が開かれる。

 会場は、「空の景」「火の街」「風の園」の3ゾーンで構成。1000種類、150万株の花と緑が植栽され、4つのゲートで来場者を出迎える。

 このうち、「空の景」では、テーマ館の「ぐりんぐりん」は、屋上に庭園や散策路が設けられたユニークな建築物と園芸福祉の庭と、企業・団体の出展による特殊緑化技術の庭が見どころ。

 「風の園」では、福岡市の姉妹都市オークランド、アトランタ(アメリカ)、広州(中国)ボルドー(フランス)、オークランド(ニュージーランド)釜山広域市(韓国)から出展された各都市の特色が生かされた庭園が目玉。政令指定都市出展の「タペストリーガーデン」は、多肉植物が高密度で植栽され、紋様を彩り鮮やかに表現している。

 会場へのアクセスは、JR千早駅(博多駅から10分)から無料シャトルバス15分。そのほか、地下鉄貝塚駅、西鉄千早駅から無料シャトルバスを運行。路線バスで天神から25分、市営渡船で博多埠頭から15分。入場券は大人1500円。開園時間は9時30分から17時30分。 詳細は、ホームページ 

http://www.fukuoka-ryokukafair.jp/index.php)。

植栽基盤診断士認定試験
「学科試験」実施概要決まる

表1


 

 平成17年度植栽基盤診断士認定試験「学科試験」(旧一次試験)の実施概要が決定した。

 試験の対象者は、「植栽基盤診断士補研修会」の修了認定者で、@一級造園施工管理技士取得後5年以上A一級造園技能士取得後6年以上B実務経験15年以上のいずれかの実務経験を有する方。ただし、平成15、16年度の植栽基盤診断士補研修会修了者については、今年度に限り、この実務経験を満たさなくても受験可能。また、今年度までは日造協正会員企業に属する方のみが受験可能。士補研修会受講時に正会員企業に属していても、現在、正会員企業に属していない方は対象者に該当しない。

 日時は10月16日(日)、13時30分から16時30分。

 会場は総支部単位の全国9カ所で実施(表1)。受験料は5000円。

 試験時間は2時間。試験内容は、択一式20問、計算2問程度、記述式1問。出題範囲は、植栽基盤診断士補研修会で使用したテキストおよび「新版土壌肥料用語事典」(農文協)より出題。過去の試験問題は日造協ホームページで公開している。(./syokusai/H17/17keka.html

 申込期間は、9月20日(火)から10月3日(月)当日消印有効。

 申込については、今年度の士補研修会の修了認定者および受験有資格者へは受験案内を郵送する。またホームページからも必要書類をダウンロードすることができる。

 なお、植栽基盤診断士認定試験「実技試験」(旧二次試験)は、第1班12月5日(月)6日(火)、第2班12月7日(水)8日(木)、東京・渋谷の国立オリンピック記念青少年総合センターで実施する。

「造園人文化交流会」開く
会場に1500人集まる
トークセッションのようす(8月8日)

 中部総支部と愛知県造園建設業協会が中心となった造園人文化交流会2005愛知実行委員会は8月8日から10日、名古屋市東区の愛知芸術文化センターの大ホールで、「造園人文化交流会」を開催。1500人を超える参加者が集まった。

 交流会は冒頭、主催者を代表して、高村芳樹6日本造園建設業協会中部総支部長・愛知県支部長が、開催に向けて企画段階から準備に当たったメンバーとともに壇上に登場し、「文化交流会は、沖縄、秋田、名古屋、札幌、新潟でこれまで開催。当初は造園関係者が年に1回集まり親睦を深めるものだったが、回を重ねるごとに、地域の特性を生かしたイベントとなり、今回、造園に携わる我々にとって意義深い国際博覧会が開催されている愛知で開催させていただいた」と述べた。

 次いで、来賓から高梨雅明国土交通省都市・地域整備局公園緑地課長が「自然の叡智をテーマとした万博は、まさに愛を知る博覧会だ。このことは我われ造園人が常に意識していなければいけない造園の本質であり、この地で開催されることの意義を感じている」と祝辞を述べた。

 そのほか、中村利雄72005年日本国際博覧会協会事務総長、神田真秋愛知県知事(村田浩子出納長代読)祝辞の後、トークセッションを開催。

 セッションは、72005年日本国際博覧会協会会場演出総合プロデューサーの涌井雅之氏がコーディネート。

 パネリストには、72005年日本国際博覧会協会の町田誠施設管理室長をはじめ、会場整備、バイオラング、日本庭園の関係者がそれぞれの立場からの想いを語り、最後に松本守桐蔭横浜大学客員教授・潟Gフシージー総合研究所上席研究員が「造園人文化交流会は、景気が低迷する中、元気を出そうと、カラ元気からはじまったが本当の元気になった」と総評。涌井氏は、愛知万博は、造園人がやったんだと広く社会に発言していこうと語った。

 その後、エキジビジョンとして観世流の「紅葉狩」が披露され、日本文化の粋を堪能、9月10日は会場等を視察した。

【緑滴】
競争力のある造園専門技術とは
叶ホ勝エクステリア
小松 秀次

 環境が重視される時代に入り、屋上緑化やガーデニングは、ブームではなく社会に定着した。

 但し、造園業界は依然として建設業の下請け体質から抜け出せず、収益率が低い状態が続いている。また建築・土木業界がこぞって環境ビジネスに参入し、中小企業集団である造園業界は苦戦を強いられている。

 ちなみに大手ゼネコンの研究開発費は、売り上げ高の約1割、100億円前後と言われている。造園企業とゼネコンの研究開発費を単純に比較するのは適切ではないが、人材、資金、設備、営業力どれをとっても勝負にはならない。特に植栽基盤整備や維持管理設備に代表されるハード面で造園企業がイニシアティブを獲るのは難しい。それでは緑化技術で造園企業がイニシアティブを獲るには何をすべきか。また、一朝一夕では習得できない造園専門技術とは何かと考えるとそのひとつとして「緑地管理技術」が上げられる。

 植物という生き物を利用目的に沿って育成管理する技術(ソフト)なしには、緑地(ハード)は機能しないからだ。

 緑地管理業務は、剪定、病虫防除、施肥、樹勢回復作業等、一見地味で大した技術が必要ないと思われがちであるが、実際やってみるとその難しさは、現場を造ることに勝るとも劣らない。

 なぜなら緑地管理技術を習得するには、植物の生理生態から土壌、病虫害、農薬、気象と幅広い分野の基礎知識に加え、実務経験が必要である。作物を育て商品として出荷する農業に例えることも出来る。

 また、現場担当者には、技術だけではなく、顧客の具体的なニーズを聞き出し、提案するコミュニケーション能力も求められる。

 造園業界の競争力を高める手段のひとつとして、専門技術である緑地管理技術を習得した人材を育成し、元請として社会の信頼を得ることが重要と考える。

4面

【総・支部だより】
魅力ある支部づくりへ

さまざまな取り組み

        滋賀県支部

各種調査器具の取り扱いのもよう

 全国的な傾向ではあると思いますが、当支部におきましても長引く景気低迷と発注工事量の激減、会員の減少等で支部運営にも支障が生じてまいりました。支部経費の削減を図り、会員の負担を出来る限り少なくし、支部事業参加費用も会員の皆さんのご協力を得参加者負担とし、そしてこのたび事務所の移転も行いました。
 このような厳しい状況の中、次のような事業に取り組みました。 まず、(1)総会記念講演会では、本年度より支部顧問にご就任していただいた県会議員に講師を依頼し、当県の実態や計画などについて興味深い内容のお話をいただきました。(2)助成金制度の活用講習会では、定年延長義務化や年金法改正について社会保険労務士から説明を受け、豊かなセカンドライフをおくるための老後の計画をファイナンシャルプランナーが分かりやすい資料をもとに個別に相談にのってくれるというものでした。(3)植栽基盤の各調査器具の取り扱い講習会では、東邦レオ蒲ホ化関連事業部より五名の社員を派遣していただき、植栽地の土壌改良に関しての講義を受け、その後野外にて調査器具を使っての土壌調査の実技を行っていただきました。
 今後の予定としては(1)石積み(崩れ石積み)の講習会を、実際に経験できない方々を中心に行います。
(2)校庭の芝生化の調査や実例研修を行い芝生化の実現に向けて取り組んでまいります。今後も特色のある、魅力ある支部作りをしていきたいと思っております。
                       (滋賀県支部長・吉川 政昭)

植栽基盤診断など

各種研修会を実施

沖縄総支部

研修会のもよう

 

 沖縄総支部における平成16年度までの植栽基盤診断士合格者は5名である。
 難易度の高い資格試験だとの触れ込みではあるが、他の総支部に比べ少ないという印象が強い。
 その前段となる植栽基盤診断士・地盤調査実技研修会と植栽基盤診断士補研修会を8月22日から24日の間に実施した。
 平成17年度から制度要綱の一部変更を含め新たな植栽基盤・地盤調査実技研修が加わっている。
 日造協本部作成の植栽基盤診断士になるまでのフローチャート及び新制度要綱を踏まえ担当の事業委員会、講師となる診断士と第1回の打合会を行った。その際、事務局としては受講希望者のアンケートの集約をし、8月22日に実技研修、23〜24日に士補研修の日程を組んで提示した。その時はもう7月も半ば過ぎていた。
 打ち合わせの中で講師は、実技研修の試験器具が揃わない、初めての研修なので十分把握できていない。実施までの準備期間が短い等の理由で実技研修は10月の植栽基盤診断士学科試験前に実施することで意見が一致していた。
 それを以て役員に報告し、了解を求めたところ、実技研修は、士補試験前に実施すること。足りない試験器具はすぐに注文し取り寄せることの至上命令であった。
 急遽講師に連絡し泥縄式ながらも取組みを急いだ。
 まず、長谷川式検士杖、パンナポータブルpH/導電率計を東京のメーカーに注文した。
 本部との事務手続きと並行しながら、九州総支部、四国総支部に取組み状況を確認し指導も受けた。
 実技研修場所については、いつも辛口で通っているT会員がユンボを運び込み炎天下にもかかわらず、にこにことした笑顔で整地をし、2uで深さ1・5m程の土壌断面調査場所も設けてくれた。
 講師勉強会のためのテキストの催促など、研修効果を上げるため講師陣の意欲もみなぎりつつあった。
 ともあれ、各持ち場で諸準備が進められ研修実施日を迎えた。
 8月22日午前10時、実技研修のスタートである。受講生16名、講師5名、診断項目毎に講師1人を配置し、受講生3人チームが交互に講師の場所へ移動して指導を受ける方法が取られ、夏の強い日差の下で丁寧な指導がなされ、受講生も真剣に受講していた。
 午後4時30分、市来総支部長から16名全員に修了証書が交付された。
 おかげで、24日の診断士補の実技内容の筆記試験は免除されることになった。我が講師陣、空き時間を使って診断士試験に備えた心構えを指南していた。講師陣の熱意が際立って見える研修会であった。
 これを機に、植栽基盤診断士試験の合格率はきっと向上するだろうと期待している。
                          (沖縄総支部 事務局)

造園工事の適切評価へ
労務単価勉強会開く
          九州総支部

 農林水産省と国土交通省は、毎年10月に行っている翌年度の公共工事設計労務単価決定の資料となる「労務費調査」を、本年度も実施する。
 公共事業の削減、発注量の減少に伴う競争の激化等、造園業界を取り巻く経営環境が年々悪化するなかで、造園工を始めとする労務単価の低下が経営悪化に更に追い討ちをかけている。
 九州総支部では、総務委員会を中心に労務費調査に対する会員の認識を新たにし、賃金実態を反映した労務単価が算出されるよう取り組みを始めた。九州7県の労務単価は、造園工、普通作業員、石工等をはじめ、平成13年度以降、毎年下降線をたどり、特に、造園工においては平成12年度と平成17年度との格差は実に2172円、他の総支部との比較でも最も低い水準にある。
 九州総支部では、専門職種である造園工の労務単価減少の原因を探るとともに、職種毎の雇用実態と賃金との関係、帳簿処理の実態把握、10月に行われる実態調査の趣旨を理解するとともに、調査に当たって正しい対応を行うための勉強会を8月2日(火)に開き、本部の野村徹郎技術調査部長の助言をいただきながら議論を進めた。
 まず、造園工・普通作業員・軽作業員等、「調査対象職種の定義」が正しく理解されているか―について、野村部長より説明があり、施工体制の問題、これまでの調査での対応等について意見が交わされた。
 特に、賃金台帳等の作成に当たって「相当程度の技能を有し、造園工事において主体的業務を行う」という造園工の定義に沿った処理がなされているか、造園工と普通作業員の作業内容の区分けが適正に行われているか、何が単価決定に影響を及ぼしているか等について熱心に議論された。
 この実態調査は、下請け、孫請けを含めた業界全体の問題であり、末端会員まで含めた調査内容の理解と的確な対応が不可欠であるとの認識で一致し、今後、他の団体等とも連携して取り組んでいくことを確認した。
                          (九州総支部 事務局)

10月は都市緑化月間
緑のイベント多彩に
「都市に緑と公園を」全国大会など開催 

 

 

 「都市に緑と公園を」全国大会は10月28日(金)午後1時から、東京・日比谷公会堂で開催される。
 全国大会には、公園緑地関係者が多数参集して行われ、基調講演のほか、大会宣言の採択などを予定している。
 全国の協会員各位が集まるまたとない機会でもあり、会員多数の来場が期待される。
 都市公園発祥の地で
 今年も「日比谷公園ガーデニングショー」開催

 日比谷公園ガーデニングショー2005は、10月14日(金)から10月22日(土)まで、9日間にわたって開催。期間中は、第二花壇の大芝生広場を開放し、周辺広場、園路沿いに区画、ブースを設け、庭園や花壇のコンテスト受賞作品を展示するとともに、ベンチトライアルや公園ガイドツアー、体験教室などさまざまな関連イベントが開催される。
 ガーデンコンテストでは、日造協会員も参加し、庭園、花壇など3つの部門と高校生部門に分かれ、プロ・アマを問わず約260点の作品を展示、デザインと技を競い合う。
 今年は全国農業高等学校の全国大会も期間中に開催され、造園科による庭園をはじめ、各校の物産販売なども見所の一つ。
 そのほか、(社)ランドスケープコンサルタンツ協会の「日比谷公園ガイドツアー」「自然探索ツアー」や、6日本公園施設業協会の「むかし懐かし縁日広場」なども実施。中越地震の被災地復旧・復興支援企画では、特産品のニシキゴイ、そば、米なども即売する。
 詳細は、同実行委員会事務局、☎03・3267・4855、www.interaction.co.jp/hibiya/

事務局の動き

【8月】
 4(木)・ 第10回財政・運営検討特別委員会作業部会
      「広報 日造協」編集会議
 5(金)・ 正副会長・常任委員長合同会議
 8(月) 〜10(水)・造園人文化交流会2005愛知
18(木)・ 第7回財政・運営検討特別委員会専門部会
【9月】
 9(月)・ 第8回財政・運営検討特別委員会専門部会
 7(水)・ 「広報 日造協」編集会議
      新潟県支部指定管理者制度講演会(講師派遣)
 5(金)・ 第22回全国都市緑化ふくおかフェアアイランド花どんたく     開会式
14(水)・ 第9回財政・運営検討特別委員会専門部会
14(水)・ 造園・環境緑化産業振興会代表者会議
16(金)・ 平成17年度全国都市緑化祭
16(金)・ 国営昭和記念公園みどりの文化ゾーン開園説明会
22(木)・ 第10回財政・運営検討特別委員会専門部会
26(月)・ 第3回街路樹剪定テキスト編集委員会
27(火)・ 第11回財政・運営検討特別委員会専門部会