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INDEX

広報 日造協 2006年6月10日 第387号

1面

通常総会議案など審議
 平成18年度 第1回通常理事会開催

「景観の日」6月1日
 景観を良くする国民運動推進 各賞の表彰、シンポなど実施

「建設マスター」
 当協会から17氏が受章
お知らせ
 平成18年度通常総会 東京・赤坂で6月22日

【樹林】
 今こそ強化すべき造園界の発信力          公立大学法人 熊本県立大学 理事長 教授 蓑茂 寿太郎

2面

日造協の国際協力
 AIPH(国際園芸家協会)での活躍
           日造協理事/AIPH副会長 和田 新也  技術・調査部長 野村 徹郎

3面

都市景観大賞「美しいまちなみ賞」に
 近江八幡市北之庄、雲仙市神代小路
 まちなみの整備・維持・保全に加え 観光交流のアピール評価

 

図書案内】
 『ビオトープ 再生技術入門』
          養父 志乃夫 著(やぶ しのぶ 和歌山大学システム工学部環境システム学科 教授)

 

【緑滴】
 轄総 代表取締役  早坂 有弘

 

【麹町箱】
 
浜名湖花博 その後                  静岡県支部

 

【事務局のうごき】

4面

【総・支部だより】

 広島県支部総会 研修会を開催           広島県支部

 

 緑化講演会・樹木調査会員のレベルアップ図る  熊本県支部

 

 環境考えるきっかけ「みどりの文(ふみ)」募集   福島県支部

 

 造園業の次世代を担う若手の育成へ            愛媛県支部

 

 協会などアピール
  第10回 環境・緑化産業展エコ・グリーンテック2006開催

 

1面

 

通常総会議案など審議
平成18年度 
第1回通常理事会開催

あいさつする小川 公園緑地課長

  平成18年度第1回通常理事会は6月2日、東京・千代田区の主婦会館・プラザエフで開催された。 冒頭、成家会長があいさつ、次いで小川陽一国土交通省都市・地域整備局公園緑地課長から来賓のごあいさつをいただいた。
 あいさつで成家会長は、事業の減少等により、造園業界は厳しい状況に置かれ、協会の運営が一段と厳しい状況になってきた。
 このような状況を克服するため、「財政・運営検討特別委員会」を設置し、「日造協のビジョン」と「財政・運営基本対策」を取りまとめたのでご審議をよろしくお願いしたい――との旨を語った。
 議事では、平成18年度通常総会議案、役員選任など、8議案について審議、承認された。
 最後に、成家会長は、協会の事業活動に、なお一層のご支援、ご協力をお願いしたいと述べた。

「景観の日」6月1日
景観を良くする国民運動推進
各賞の表彰、シンポなど実施

基調講演を行う進士 五十八 東京農業大学 教授

 「日本の景観を良くする国民運動推進会議」全国大会が、「景観の日」の6月1日、東京・千代田区平河町のシェーンバッハ・サボーで開かれた。
 冒頭、主催者を代表して、北城恪太郎日本の景観を良くする国民運動推進会議会長のあいさつの後、来賓あいさつ・紹介が行われ、国土交通省の都市景観大賞「美しいまちなみ賞」記事3面、農林水産省の「美の里づくりコンクール」、環境省の「自然公園写真コンクール」の表彰授与が行われた。 その後、「「美しい景観」から「いい風景」へ」と題して、進士五十八東京農業大学教授が基調講演。美しさに気づく人間の歩くスピードや歩いても疲れない里山などの昔ながらの畔道、心象と景観の関係などを例にあげ、近代になり、科学的に考えることが良いとされ、失われてきたものも多い。もっと人間の感覚的なものを大切にしたヒューマンスケールによる国づくりが求められるなどの旨を語った。 また、パネルディスカッションは、西村幸夫氏(東京大学教授)のコーディネートで、大原謙一郎氏((財)大原美術館理事長)、川端五兵衛氏(近江八幡市長)、セーラ・マリ・カミングス氏(萱e一市村酒造場取締役)、浜美枝氏(女優/農政ジャーナリスト)がパネリストに参加。「魅力あるふるさとづくり」について意見を交わし、盛会のうちに幕を閉じた。

「建設マスター」
当協会から
17氏が受章

 平成18年度優秀施工者国土交通大臣顕彰に436名が選ばれ、5月30日に東京・港区のメルパルクホールで顕彰式が行われ、当協会からは17名が受彰した。
 優秀施工者国土交通大臣顕彰は、建設産業の第一線で活躍する技能者の社会的地位、評価の向上を図ることが目的。特に優秀な技能・技術を持ち、後進の指導・育成等に多大な貢献をしている建設技能者を対象に実施しているもの。優秀施工者は「建設マスター」として、さらなる研鑽と後進の指導などの活躍が求められる。
 当協会員所属受賞者は以下の通り。
 ▼水木兼則(41)青森県・拒蜑、農園▼高品哲彦(58)千葉県・千葉造園土木梶・高橋宣和(55)富山県・葛v郷一樹園▼圓山敏(51)福井県・叶シ野造園▼鈴木重藏(61)愛知県・岩間造園梶・武田孝四郎(52)滋賀県・西村造園土木梶・森耕一(52)京都府・渇チ藤造園▼武石誠一(52)大阪府・京阪園芸梶・井内優(50)和歌山県・活苴煢ョ種苗園▼下免滋夫(52)広島県・褐|北造園土木▼村上光昭(53)広島県・潟JジオカL・A▼舞田俊彦(51)山口県・周南造園梶・嶋浩一(59)香川県・四国緑化産業梶・渡邊伸二(38)高知県・平成緑化建設梶・日高修一(53)福岡県・葛繽B緑化産業▼小嶋秋生(56)長崎県・八江グリーンポート梶・秋篠誠司(62)大分県・褐I木精華園

お知らせ
平成18年度
通常総会

6月22日(木)14:00〜
赤坂プリンスホテル 五色1階 新緑
総 会:14:00〜
講 演(CPD認定プログラム):16:30〜17:30
    「公園緑地事業の展開について」
    国土交通省 公園緑地課公園・緑地事業調整官町田 誠氏
懇談会:18:00〜

【樹林】
今こそ強化すべき造園界の発信力

公立大学法人 熊本県立大学 理事長 教授         
蓑茂 寿太郎

 37年振りに生活の本拠地を地方に移した。移されたと言った方が正確だと嘯いていたが、正直、自分だけでは到底できなかった潮時を頂戴したと思っている昨今。本拠地が変わっただけでなく生活スタイルも変わった。詳細は笑われそうな内容を含むので内緒だが、生活スタイルが変われば思考も変わるのだろうか? まだ確信ではないが、どうも変わりそうである。造園界に関しての見方や考え方も変わりそうで、うれしく期待したい。その先夢を一つ、字数の範囲でつづり転勤のご挨拶ともさせていただきたい。
 先日、日本造園学会の全国大会が大阪芸術大学で開催されたので参加した。ワークショップではCPDのお店に入った。客は少なかったが、いいものを売っていたし、なんと言っても売り子(失礼ながら話題提供者の諸兄)が熱心だった。そして造園界は熱心な売り子をもっと増さないといけないと思いながら討論に加わった。私の発言の背景には、「CPDは継続教育なのだ」という伝わり方が強すぎるように思うことがあった。もちろんこれで間違いないのだが、強く意識すべきは「プロとしての絶えざる職能の磨き」である。継続教育の意識に偏ると勉強会への参加という理解が強くなり、もう一度、学生や生徒になれば良いのだのベクトルに傾き、どうしても受身になってしまう。そして、受身になるとやがて飽きてくるばかりか、「東京や大阪はともかくとして、地方はCPDの機会がない」と、ひたすら後ろ向きの議論になってしまう。しかし、これが「しっかりした専門家として生きていくための職能を常に磨くのだ」と言う職能開発に傾斜するとどうだろう。自ら如何に立ち向かうかになって能動的となり、チャンスは自分で作るものと自覚し志が見えてくる。今、あらゆる場面で求められているポスト・護送船団の「自立と自律(自己規律)」の轍である。
 東京を離れたこれからは、微力ながら地方におけるCPDの発展に精進するつもりであるが、造園という職能は、きちんと経験を積み上げていないと続かないものであるから、今、第一線にいる人は皆きっと、継続教育の先生の資格を満たしているのだと思う。お互い代わり番で、教えあい学びあえる状況となる『寺子屋型CPD活動』を提案したい。人的資源に限られた造園界において、これは発進力強化にもつながると信じる。
 地方での生活と仕事が始まって、日常的にいわゆる他分野の方にお会いする機会が格段と増えた。私の場合の他分野とは、造園や都市計画、環境計画以外であるし、大学や学校、教育や研究以外の人たちである。そうした人達に造園あるいは教育研究の話をすると、これまでのわたしの認識以上に強い興味を示していただける。こうした新しい出会いでも、ワーク&ライフ・バランス社会における造園学(楽)業の実際を伝えたい。

2面

日造協の国際協力
AIPH(国際園芸家協会)での活躍
日造協理事/AIPH副会長 和田 新也
技術・調査部長 野村 徹郎

画像1 The Year Book

 

図1 AIPH組織図

 

表1 AIPHの地域と代表者


表2 国際博覧会の分類

 

表3 国際博覧会の開催スケジュール

 

画像2 AIPHのホームページ

 

 

表4 2006年開催の国際園芸博覧会
 ※ タイの園芸博覧会へは日造協事業として調査団の派遣を計画しています

  日造協は、国際園芸博覧会の認証機関であるAIPH(国際園芸家協会)に日本の代表機関会員として加盟し国際的な協力をすると共に、アジア太平洋地域の各国が所属するRegionYの代表として活躍をしています。今回は、AIPHと日造協の活動についてご紹介します。
国際園芸博覧会とAIPH
 1990年の「国際花と緑の博覧会」(花の万博EXPO '90)は、東洋で初めての大国際園芸博覧会として「自然と人間との共生」をテーマに大阪で開催されました。これを契機として緑や花に対する関心が急速に高まり、日々の暮らしに緑を取り入れ、自然と親しもうとガーデニングやアウトドアライフが定着してきました。その後2000年には「人と自然のコミュニケーション」をテーマとする国際園芸・造園博「ジャパンフローラ2000」が淡路島を舞台に、2004年には、「花・緑・水〜新たな暮らしの創造〜」をテーマとする「パシフィックフローラ2004」が、国内で3回目のしずおか国際園芸博覧会として開催されました。
 「国際園芸博覧会」という名称は、AIPH(国際園芸家協会)が承認した博覧会のみが使用できるものであり、初めての国際園芸博覧会は1960年にオランダのロッテルダムで開催されました。園芸博覧会は国際的なレベルで園芸生産者の共通の利益を図るために開かれる性格も持ち合わせており、ドイツ、オランダ、ベルギーなどヨーロッパ各地では定期的に開催されています。
 オランダで10年に一度開催される園芸博覧会 Floriade(フロリアード)や、ドイツで2年ごとに開催されている連邦庭園ショーBUGAで5回目ごとに行われる国際園芸博覧会IGAには過去何度も日本庭園が出展され、2002年にハールレマミーアで開催されたフロリアードでは最高栄誉賞、2003年に旧東ドイツのロストックで開催されたIGAでは金賞を受賞しました。
AIPHの組織と活動
 これらの国際園芸博覧会を承認しているAIPH:Association Internationale des Producteurs del'Horticulture(英語表記:International Organisation of Horticultural Producers)は、世界中の園芸生産者の組織を代表して活動している国際機関で、花、植物、造園の国際的なマーケティングを活性化するために1948年にスイスで組織され、現在では世界6つの地域から24カ国が参加しています。
 AIPHには園芸生産、市場開発などの知識や情報を交換するプラットフォームとしての役割があり、園芸生産、輸出入取引や園芸市場に関する統計情報年鑑である The Year Book を毎年発行しています。(画像1)
 組織運営は4つの常任委員会により行われ、それぞれの委員会は@Novelty Protection:新品種の権利保護、AEnviron-ment:環境問題と植物衛生規則、BMarketing and Exhibitions:市場調査、販売促進と博覧会、CEco-nomics, Statistics, Social Affairs, Financing and Taxes:経済情勢・統計・社会事情、金融と税金などに関してさまざまな活動方針の決定や助言を行っています。
 また、園芸取引の国際的な機関である Union Fleurs、絶滅危惧種の国際通商に関する会議(CITES)、園芸生産者の権利保護のための国際機構(UPOV)、博覧会国際事務局(BIE)などとも連携と協調を図りながら活動を行っています。(図1)
 日造協は日本の代表機関会員としてAIPHに加盟し国際的な協力をすると共に、日本国内で開催される国際園芸博覧会や国外で開催される園芸博覧会に日本から参加する際の窓口となっています。
 また、アジア太平洋地域の各国が所属する RegionVI の代表ともなっており、中国の瀋陽やタイで開催される園芸博覧会に先立ち現地視察による開催の実現性の確認などを行っています。(表1)
 国際園芸博覧会は、開催規模や期間により4つのカテゴリーに分類されています。(表2)
 これらの博覧会は、開催頻度や会場面積などについても規定があり、開催の申請から承認までには数年を要します。
 また、国際園芸博覧会の主催国となるためには、AIPHの機関会員がいないと認証された博覧会を開催することができないため、国際園芸博覧会の経済効果を期待する新入会希望国が何カ国か申請を行っておりAIPHでの審査を待っています。
 園芸博覧会の開催スケジュールはAIPHのホームページ(http//www.AIPH.org/uk/)に掲載されていますので、ご覧ください。(表3・画像2)
AIPHでの活躍
 AIPHでは定期的な集まりとして、春の会議、総会が開催されています。先日もイタリアのジェノバで春の会議が開かれ、日本からは当協会の和田理事が、地域Yの代表とAIPH副会長として参加しました。
 会議は、4月20日〜21日にかけて行われ、人事の改選や新入会機関会員に関して国際機関ならではの国対国の微妙な駆け引きもあり、公式な会議の席以外にも朝食や夕食の時間を使って質問や調整が行われ、起きてから寝るまで気の休まる間が無いほど気力体力を消耗する会議のようです。
 さらに今年はアジア地域で2つの博覧会が中国の瀋陽とタイのチェンマイで実現するまでに何度も国際間の調整や現地との打ち合わせが必要となりました。(表4)
 AIPHへの参加は、日造協の重要な事業活動である国際交流の一部ですが、これからも日本を代表する機関会員として活躍が期待されています。

3面

 

都市景観大賞「美しいまちなみ賞」に
近江八幡市北之庄、雲仙市神代小路
まちなみの整備・維持・保全に加え
観光交流のアピール評価

近江八幡市の八幡堀を含めた河川域では地域住民による清掃活動も行われている

雲仙市の神代小路地区は、地元保存会の活動などによって、生垣・樹木などの手入れも行き届いている

 平成18年度都市景観大賞「美しいまちなみ賞」の表彰式が6月1日行われた(記事1面)。
 都市景観大賞は、良好な都市景観の形成に寄与した優れた景観や空間デザインを表彰することにより、都市景観に対する市民の意識の向上を図るため、平成3年度に設けられ、平成12年度までに100地区を選定し、「都市景観100選」としてまとめられた。
 平成13年度からは、都市景観大賞「美しいまちなみ賞」として実施。まちなみの整備や維持、保全をはじめ、地域再生、都市再生、観光交流面でのアピール性も踏まえて大賞(国土交通大臣賞)をはじめ、優秀賞、特別賞を選定している。
 こうした中、今回2地区が大賞を受賞した。近江八幡市北之庄町周辺地区(325ha)は、琵琶湖につながる水郷地帯で、自然・農村・市街地景観が調和した地区で、ヘドロ、ゴミ対策として行われた浚渫工事の後に、周辺住民の景観保全活動が定期的に実施され、地域のイベントや観光の活性化だけでなく、ロケーションの舞台にも多用されている。また、雲仙市神代小路地区(9・8ha)は、鍋島藩の武家屋敷建築などの建造物とともに石垣、生垣、樹木などで情緒豊かな街並みを形成。城址膝下の護岸工事で自然石による修景を図ったほか、沿道の舗装改修でも縁石を自然石にするなど、調和した景観が創出・保全されている。





図書案内】
『ビオトープ 再生技術入門』
          養父 志乃夫 著
(やぶ しのぶ 和歌山大学システム工学部環境システム学科 教授)

 

発行所 :(社)農山漁村文化協会
発行日 : 2006年3月31日
サイズ   : A4判/199頁
定 価   : 2200円(税込)

 著者は、ビオトープ、自然再生技術関連の著書が多数で、本書も施工現場の写真をふんだんに駆使し、わかり易く説明しており実践的である。第1部自然再生工法の基礎知識と第2部自然再生工事の実例からなっている。
 自然再生工事の進め方として、自然の回復力を手助けする自然再生工事には、厳密なマニュアルはない。現場の多様な特性にあわせて技術、工法を適用していく。手順は@基礎調査と目標像の設定:対象地における環境構造、植生、生息する希少種などを調査し、この結果からゾーンごとに再生目標像と目標種群を決め、基本計画を作成。A設計から施工準備:設計図書の作成は造園工事と同様であるが、自然環境の詳細な構造や形状を図化表現することはできないので施工上の留意点を明記した特記仕様書を作成し施工前に代理人や作業員にその主旨や方法を説明する勉強会を行う。さらに生態技術者が現場で施工監理を行い、現場作業の過程で現地の状況にあわせて最も効果的な内容に設計変更していく必要がある。B 中構造施工:工事を始める前に存置植物のマーキング、移植保護する生物の採集を行い基盤整備を施工。C 小構造施工:基盤施工後、目標に定めた植生、生き物が生息できるように小構造の施工、定着までに数年間必要でこの間モニタリングの実施。D モニタリング調査と維持管理:植生、地象遷移に応じて、当初の目標像まで逆行させる維持管理を行う。
 国営公園での実践例としては、昭和記念公園、讃岐まんのう公園、滝野すずらん丘陵公園などが紹介されている。
 ご注文は(社)農山漁村文化協会(東京都港区赤坂7−6−1、☎03−3585−1141)まで。                      (副会長 山田 勝巳)

【緑滴】
轄総 代表取締役
             
早坂 有弘

 北海道にもようやく私達の活動する季節がやってきました。
 最近、国家プロジェクトの重点テーマとして『観光』の位置づけが見直されている中、北海道でも実質的に取り組みが始まっており、経済効果があらわれている唯一期待できる産業として、北海道の造園業界としても前向きに取り組んでいく必要性を感じております。
 北海道開発局では、全国に先駆けて『シーニックバイウェイ』の事業化が進んでいます。シーニックバイウェイは『美しい景観づくり』、『活力ある地域づくり』、『魅力ある観光空間づくり』を目的に地域住民と行政が連携し、すでに3つのルートを指定し、2つのルートを候補として本格導入開始に向けて様々な活動を展開しているところです。
 北海道の造園業界としても造園関連団体連絡協議会という組織を通じて、ランドスケープコンサルタンツ協会と連携して民間組織のガーデンアイランド構想を道民運動としてとらえ、民間組織のガーデンアイランド北海道2008を実行する会を立ち上げ、全道の花や緑、さらには景観を含めたネットワーク作りを始めたところです。
 2008年から開始する継続運動として、すでに3年前からスタートし今年度にはNPO法人化や、国や北海道、市町村を巻き込み協議会を設立したいと意気込んでおります。
 さらに、札幌市を対象に大阪、淡路、静岡で開催されました『国際花博』を誘致したいと札幌商工会議所に持ち込み、経済4団体を中心に誘致期成会を設立し、議会に提案したり、これも3年前から取り組み、今年3月には市民向けのフォーラムを開催しました。基調講演には泉真也先生、コーディネーターには涌井雅之先生をお招きし、その成果もあって今年度から札幌市と推進協議会で検討会がスタートすることになり、可能性に向かって一歩ずつ前進しております。この紙面をかりて涌井先生にはひとかたならぬお世話になっていることに感謝申し上げます。
 北海道は寒暖の差もあり、短い夏といった季節感もあいまって花の鮮やかさは際立った地域で花もちも良く、ガーデニングブームにものってオープンガーデンや富良野のラベンダーに代表されるフラワーツーリズムも盛んになっており、冷えきった北海道経済にとって花を素材に活路を見い出し、元気になりたいと願っております。
 一連の運動や活動に全国の皆さんにご協力をお願いするしだいです。
 これからの時代、日造協の指針にあるように提案型、市民型、運動活動型といった視点が必要と痛切に感じております。

【麹町箱】
浜名湖花博 その後 
             
静岡県支部

庭園の制作実演なども行われたフラワーフェスティバルのもよう

  浜名湖花博が終了して早1年半がたちました。開催テーマでありました「花・緑・水〜新たな暮らしの創造〜」の新たな暮らしの創造の部分について大いに気になるところです。静岡県に於ける県支部の所管は都市住宅部でありますが花博を機に他部との交流が拡大しました。特に農業水産部の関連室との関係が日常的になるほどに活発化しております。これは、我々造園業界と鉢物生産者を中心とする園芸業界の花博準備期間からの協働の成果であると思います。造園・園芸は一体と捉えるべきだと言われて久しくなります。しかし実際に現場に立つとなかなか難しい問題です、仕事の進め方のリズムが異なるのです、我々造園は形を重んじます。園芸の方々は品種です、「形」即ち修景はあまり意識しません。作品全体の形を重視する造園と、如何なる品種を植え込むかが重要な園芸の方々とのやり取りには時間を要します。しかしお互いの遠慮のないやり取りの結果新品種を取り入れ修景された庭が出来上がりました。現業においての 〜新たな暮らしの創造〜 の第一は、人と人の協働であると思いました。
 さて、浜名湖花博の跡地、浜名湖ガーデンパークでは4月28日から30日の3日間浜名湖フラワーフェスタが開催され、予定の5万人を大幅に上回る延べ5万8千人の来場者で会場は大変な混雑でした。静岡県支部も主催者の一員として静岡県造園緑化協会と共に参加しました。その中で注目は、技能五輪静岡県代表候補者3チーム6人による庭園制作の実演でありました。若手造園家による庭作りパフォーマンスには、多くの来場者が足を止め見入っておりました。出来上がった作品を鑑賞するだけでなく実際に造園家の卵達のきびきびした動きそのものが絵になる、即ち作業そのものが作品だと感じたのではないでしょうか。
 今回の浜名湖フラワーフェスタを見て地元浜松市はもとより県内各地でもその地域なりの形で着実に意は継承されていると感じました。
                                                                    (事務局長 西島 弘一郎)

事務局の動き】

【5月】
 9(火)・「広報日造協」編集会議
10(水)・第27回財政・運営検討特別委員会専門部会
          ・基幹技能者の評価・活用等検討委員会
16(火)・事業委員会(全国)
          ・雇用・能力開発機構ヒアリング
21(日)・(財)都市緑化技術開発機構評議員会
           ・(社)北海道造園緑化建設業協会30周年式典
22(月)・第28回財政・運営検討特別委員会専門部会
23(火)・総務委員会(全国)
           ・群馬県支部講習会(講師派遣)
24(水)〜26(金)・エコ・グリーンテック2006
24(水)・(財)建設業振興基金会議
25(木)・四国総支部総会・講習会(講師派遣)
          ・専門工事業者安全管理活動運営委員会
25(木)〜26(金)・(社)日本公園緑地協会総会
29(月)・第4回入札契約制度対応分科会
29(月)・(財)公園緑地管理財団評議員会
30(火)・正副会長・常任委員長合同会議
31(水)・褐共建築協会ヒアリング
【6月】
 1(木)・日本の景観を良くする国民運動推進全国大会
 2(金)・第4回財政・運営検討特別委員会
     ・第1回通常理事会
 6(火)・「広報日造協」編集会議
 9(金)・市民と造園家の交流会
14(水)・IFPRAジャパン理事会総会
21(水)・(社)建設広報協議会総会
22(木)・平成18年度通常総会
23(金)・(財)日本花普及センター理事会

4面

【総支部だより】

広島県支部総会
研修会を開催
            広島県支部
  

 広島県支部の通常総会が平成18年4月19日、開催されました。
 今年度は役員改選の年に当たり、新体制の下に運営がされることになり、新支部長からは、「会員や業界にとって本当に必要な協会活動の実践」・「定例で行われていた活動や運営方法の見直しの実行」について取り組んでいくとの表明が行われました。今後世情の変化に対応し、また、市民に認知される存在になるための活動が求められるところです。
 総会も無事終了した後には、同会場にて「備北丘陵公園について」の題目で若槻幹穂(国土交通省 中国地方整備局 国営備北丘陵公園事務所長)をお迎えしての研修会が行われました。公園の成り立ちから今後の計画等、細部に亘っての解説をしていただきました。公園は一定の思想に基づく、施工や管理が求められることから、平素より十分公園についての認識を深めておくことは重要なことです。今後の取り組みに良い機会を頂戴したと感じております。
 今後総支部や県の協会等との連携をはかりながら、造園界がより充実したものとなっていくよう取り組んでいきたいと考えております。
                                                                         (広島県支部 事務局)

緑化講演会・樹木調査
会員のレベルアップ図る
                          熊本県支部

移植へ向けて準備が進められる樹木

 熊本県支部は平成18年1月31日、平成17年度熊本県支部事業として「緑化講演会」を開催し、各行政機関も含め、総勢93名の参加を得ました。
 講演では、星子隆氏(西日本道路葛繽B支社管理事業部調査役)に「西日本高速道路鰍フ事業概要」、五十嵐康之氏(国土交通省九州地方整備局国営海の中道海浜公園事務所事務所長)に「公園緑地の今後の動向」と題して、道路・公園緑地行政の現況と課題や推進の枠組みなどについて広範囲に講演していだだきました。
 更に今後大きく変ろうとしている入札制度についても業界として迅速な対応が必要と云う方向性も示され、盛会裏に有意義な時間を過すことができました。
 また、県支部では、県造協や樹木医会等と協力して樹木の調査(移植の可能性について)を行っています。対象木は国の開発事業に伴う支障木です。
 支障木は、@巨樹・老齢木のため活着が悪く、移植が困難と思われた樹木A既存樹木を保全するか、更新するかで長きに亘り行政側と市民・有識者との間で論議が重ねられた樹木です。いずれも幹周3m以上の大径木も多数含まれており、移植の可能性をさぐる目的で樹勢・根系・土壌・腐朽(空洞)等の調査を行いました。
 結果、移植の前作業として、環状剥皮を用いた根廻しを行い適切な養生管理・養生期間を確保すれば、調査対象木の殆どが移植可能であると云う結論に達し報告しました。
 現在一部では、根廻し作業も行われており、計画から30年間何一つ進まなかった本体工事も整備計画原案が承認され、実施設計の運びとなりました。
 今後、県支部も根廻し作業の技術の確立や植栽基盤診断等の講習会を開き、先輩達が培ってきた伝統技術に加え、科学に裏打ちされた新しい技術の研鑽に努め、支部会員のレベルアップを図りたいと思います。
                                       (技術委員・井津野 法昭)

環境考えるきっかけ
「みどりの文(ふみ)」募集
                          福島県支部

 あなたの庭で、家族の記念樹は大きくなりましたか
 四季折々の花が咲き誇る…
 そんな庭への想いは膨らんでいますか
 満開の桜並木を散歩してみる
 夏の公園の緑陰で、ひとり静かに本をひろげてみる
 そこには、いつも心安らぐ時間が流れます。
 そんな想いを文(ふみ)や絵手紙に託してみませんか。
 当福島県支部と(社)福島県造園建設業協会では、このほど、緑化団体やJA等の協賛をいただき、「みどりの文」募集を開始いたしました。
 これは、身近にある「庭」や「草花」など緑や庭を見つめ直し、さらに環境を考えるきっかけになれば…と企画いたしました。
 内容は、手紙部門と絵手紙部門の二本立てで8月28日まで作品を募ります。「みどり」と広範囲なテーマにしたことで、どんな人生ドラマが手紙に託されるか楽しみです。
 今、当協会では「みどりの文」「みどりの絵手紙」が県民と私ども業界を結ぶものとなっています。
 みなさんが、緑や庭に何を求めているか、そこに、業界が伸びていくヒントを探ることができれば…と、願っています。
 「みどりの文」募集についてのお問い合わせは、福島県支部までお願いいたします。                                                                ( 事務局長・中島 都)

造園業の次世代を
担う若手の育成へ
                           愛媛県支部

講習会参加者と作成した蹲踞(つくばい)

 

 愛媛県支部では、毎年実施している県立伊予農業高等学校社会人活用推進事業の講習会を行いました。
 この講習会は同校の環境開発科造園専攻の3年生19人が参加し、日ごろ授業で学んだことをもとに、当協会講師とともに「蹲踞(つくばい)」を作成する実習です。
 開会にあたり高須賀青年部会長、井門講師から蹲踞の由来や、用途・作業方法についての説明を行いました。作業は4人1班で、協会員である造園技能士の講師1名の指導のもと、作業を開始。全員が石選びからはじめ、水鉢、前石、役石、飛び石等を試行錯誤しながら据付けていきました。
 同校の生徒は、毎年3級技能士受験やモデル庭園、インターンシップ等に積極的に参加し、優秀な成績を修めていることもあり、慣れたものでしたが、日本の伝統技術の一つである「蹲踞」のバランスや、美的感覚の難しさに悪戦苦闘する場面もありましたが、講師の助言、指導を受けながら2時間で完成。最後に作品の品評を全員で行い、良かったところや改善点などを発表し合いました。
 同じ石を使いながらも、感じが全く違う作品を眺めながら、生徒だけでなく講師として参加した私達も、自然素材を使う難しさや面白さ、奥深さを実感するとともに、共同作業の楽しさを味わいました。
 公共工事の激減、長引く不況による民間工事の減少に伴う雇用の減少、団塊世代の退職で技術継承が難しくなり、先行き不透明な今日の状況ですが、今後当支部においても若者たちに魅力ある職場環境づくり、雇用の改善、技術力向上に努め、活力ある業界、支部になるよう日々努力をしていきたいと思います。
                                                                 (事務局長・栗原 奈々恵)

協会などアピール
第10回 環境・緑化産業展
エコ・グリーンテック2006開催

協会活動のパネル展示のほか、刊行物の展示なども行った

会場入口のようす

 第10回環境・緑化産業展「エコ・グリーンテック2006」が5月24日から26日まで、東京ビッグサイトで開催され、関連技術や資機材の展示をはじめ、講演会やセミナーなどが行われた。会期中は2万1千人が来場し、当協会も出展、パネルやビデオ上映、造園デザインコンクールの紹介など、協会活動をアピール。
 日造協ブース来場者には花の種の配布も行った。