植栽樹木の枯損や生育不良の原因で、最も多いと推測されるものが固い地盤や排水不良などによるものです。現在、植栽基盤に求められているのは、植栽された植物が生育目標に向かって健やかに育ち続けていくために、植栽土壌の整備に関わる総合的な知識と卓越した技術力を持つスペシャリストの存在です。

　健やかに育つ緑は、美しい景観のある生活空間により、人々の暮らしに潤いをもたらしてくれます。さらに、都市部のヒートアイランド現象の緩和などの環境保全機能や、多様な生きものたちの生態系の保全にも役立ち、地球環境保護の重責を担っています。

植栽基盤診断士に発行している
カードタイプの認定証

　「植栽基盤診断士」は、植栽基盤・土壌・植物・植栽に関する知識と経験があり、土壌調査・診断結果をもとにした処方能力を総合的に備え、植栽基盤整備“植物が良好に育つ土壌環境”を整える専門家です。

　さまざまな場所での緑化が進められるとともに、植物の生育不良や枯死が問題となる中、（一社）日本造園建設業協会は、建設省(現 国土交通省)の土木研究所の協力受け、「植栽基盤の造成技術に関する共同研究」を行い、報告書にまとめました。

　植栽地の改良提案をするためには、現場調査・土壌の物理性・化学性の診断・排水性の確保・植物の性質や植栽工法・経済性の比較など施工者側の植栽基盤に関する高度な知識と技術が要求されるため、植栽基盤に関する質の高い技術者を育てていくことが必要なことから、研究の集大成と植栽基盤整備の十分な知識と技術力の向上を図るため、（一社）日本造園建設業協会が「植栽基盤診断士」資格制度を創設、認定を行っています。

植栽基盤診断士・士補の認定者と累計

　「植栽基盤診断士」は、植栽基盤、土壌、植物、植栽に関する知識と経験及び処方能力を総合的に兼ね備えた、植栽基盤整備に係わる卓越した技術力を有する者をいい、植栽工事にあたり、植栽対象地を調査、診断し、処方を立案。「植栽基盤診断士補」は、植栽基盤診断士の指導の元に、植栽対象地の調査、診断、処方の立案を補佐します。

　なお、「植栽基盤診断士」に求められる能力として、下記の事項があげられます。

　詳しくは日造協本部またはお近くの支部へお問い合わせ下さい。